アメリカ女子ボウリング代表、世界選手権最終日に金2・銀1の快挙達成!
世界の頂点へ──アメリカ女子代表、香港で歴史的勝利
2025年12月5日、香港・ワンチャイのクイーンエリザベス・スタジアムで開催された2025年IBF世界ボウリング選手権が、10日間にわたる熱戦の末に閉幕しました。今大会の最終日、アメリカ女子代表チーム(Team USA Women)が大活躍を見せ、金メダル2個、銀メダル1個を獲得。これにより、団体戦での優勝、さらに女子総合優勝(女子フェデレーションチャンピオン)という栄誉を手にしました。
彼女たちの勝利は、競技終盤までメダル獲得数が控えめだった中での劇的な巻き返しであり、世界中のボウリングファンを魅了しました。
逆転劇と結束力が導いた金メダルの軌跡
準決勝:韓国との激戦を制し決勝へ
最終日の団体戦でアメリカ女子チームがまず対戦したのは、韓国代表。3戦2先取方式の「ベイカーフォーマット」で行われた準決勝は、まさに緊張感のある展開となりました。
第1ゲームは234-257で敗北。初戦を落としたことで、一時は敗退の危機に直面しました。しかし、ここでチームの底力が発揮されます。
続く第2ゲームでは221-151と圧倒的な差で勝利。そして運命の第3ゲームでも212-160と韓国を突き放し、見事に決勝進出を決定しました。
この逆転劇は、チームの粘り強さと信頼関係の証でもあり、選手たちは一戦ごとに調子を上げていきました。
決勝戦:最強マレーシアを下す
決勝の相手は、世界ランキング上位の強豪マレーシア代表。このチームには、プロ女子ボウリング協会(PWBA)のチャンピオンであるシティ・ラーマン選手、2025年のPWBA新人王ギリアン・リム選手、そして2024年の年間最優秀選手であるリー・ジェーン・シン選手らが揃っており、世界トップレベルの布陣を誇ります。
第1ゲームはマレーシアが191-179で勝利し、再びアメリカは追いかける展開に。しかし、第2ゲームで200-159の快勝を収め、試合をタイに戻します。
決勝の第3ゲームは、まさに一進一退の攻防。両チームともに安定したスコアを記録し続ける中、アメリカは着実にフレームを埋める戦術でリードを維持。最終的に199-185でマレーシアを下し、団体戦の金メダルを獲得しました。
この結果、日本と韓国はともに銅メダルを獲得することとなりました。
プルホウスキー選手、オールイベントで銀メダル
個人種目「女子オールイベント」では、シャノン・プルホウスキー選手(オハイオ州)が銀メダルを獲得しました。
この種目では、シングルス、ダブルス、トリオ、団体戦すべての成績を通じて、総合力を問われる競技です。順位に応じたポイントを加算し、最終的にポイントが最も低い選手が上位になります。
プルホウスキー選手は、
ダブルス:11ポイント
シングルス:5ポイント
トリオ:5ポイント
団体:1ポイント
という合計22ポイントで2位。金メダルはフィンランドのエッシ・パカリネン選手(17ポイント)、銅メダルはシンガポールのシェイナ・ン選手(23ポイント)という結果でした。
女子総合優勝も手中に
すべての種目が終了したのち、女子フェデレーションチャンピオン(総合優勝)が発表されました。ここでは、各種目の順位に応じてチーム単位でポイントが付与され、最終的な合計ポイントで順位が決まります。
アメリカは以下のようなポイント配分により、全22か国中トップとなりました:
団体戦:110ポイント
トリオ:84.38ポイント
ダブルス:55ポイント
オールイベント:27.83ポイント
シングルス:25ポイント
合計:302.21ポイント
2位のシンガポールは285.17ポイント、3位のマレーシアは273.33ポイントで、アメリカが圧倒的な総合力を見せつけた形となりました。
チームメンバーの声ににじむ達成感
試合後、選手たちは喜びと感謝の気持ちを語りました。
ジリアン・マーティン選手は次のように語っています:
「このチームでプレーし、優勝できたことは本当に誇りに思います。困難を乗り越えて、最後に一つになれたことが何より嬉しいです。」
また、ローレン・ルッソ選手はチームの結束について強調しました:
「この2週間、私たちはお互いを信じて戦ってきました。それが最後の勝利に結びついたと感じています。 香港からもう一つの金メダルを持ち帰れることが、信じられないくらい嬉しいです。」
選手別メダル獲得一覧(女子)
ジュリア・ボンド:金2、銅1
ブリアナ・クレマー:金2、銅1
ブライアナ・コテ:金1
ジリアン・マーティン:金2、銅1
シャノン・プルホウスキー:金2、銀1
ローレン・ルッソ:金1
実力と団結で掴んだ世界一
アメリカ女子ボウリング代表の快進撃は、2025年IBF世界選手権のハイライトとなりました。大会序盤こそ苦戦を強いられたものの、最終日に圧倒的なパフォーマンスを見せ、団体戦優勝と女子総合優勝を達成。個人でも銀メダルを獲得したプルホウスキー選手の活躍が光りました。
このような結果は、チームとしての結束力と個々の実力の高さが融合した成果であり、今後の国際大会においてもアメリカ女子チームは要注目の存在となるでしょう。
大会は12月5日のビクトリーバンケットをもって閉幕。選手たちは再び次の舞台へと歩みを進めます。