2025年IBFボウリング世界選手権
アメリカ女子チーム、ロールオフを制し準決勝進出を決定

チームUSA、準決勝進出でメダルを確保

2025年12月3日、香港で開催中のIBF(国際ボウリング連盟)世界選手権にて、アメリカ女子チームが熾烈なロールオフを制して準決勝進出を果たしました。これにより、アメリカは少なくとも銅メダルを確定させ、今大会での表彰台登壇が決まりました。

 

頂点を目指すアメリカ女子チームの戦い

予選ラウンド:安定したスコアで2位通過

アメリカ代表チームのメンバーは、ジュリア・ボンド(ネブラスカ州リンカーン)、ブリアナ・クレマー(ケンタッキー州パイクビル)、ブリアナ・コテ(アリゾナ州ツーソン)、ジリアン・マーティン(オハイオ州ストウ)、シャノン・プルホウスキー(オハイオ州デイトン)、ローレン・ルッソ(ミズーリ州オーファロン)の6名。

競技7ゲーム制の「ベイカー方式」で行われ、1ゲームごとにメンバーが交代で投球し、チーム全体でスコアを構成します。

アメリカは1ゲーム目でスコア228を叩き出し、22チーム中のトップに立つ好スタート。続く6ゲームでも、186、203、230、213、204、191という安定したスコアを記録し、合計1455点(平均207.86)で2位通過を果たしました。

首位通過のシンガポールとはわずか2ピン差(1457点)という接戦で、アメリカの強さと集中力が光る予選ラウンドでした。以下、韓国(1425点)、スウェーデン(1391点)、マレーシア(1384点)が上位に続き、日本(1360点)、マカオ(1344点)、チャイニーズタイペイ(1338点)が8位以内に入り、準々決勝への進出を決めました。

 

準々決勝:マッチプレー形式での緊張の戦い

準々決勝は8チームによるマッチプレー方式で行われました。ここでは、1勝=3ポイント、引き分け=1ポイント、敗北=0ポイントというポイント制により、総スコアではなく勝利数が順位に直結します。

アメリカは初戦から快調な滑り出し。ゲーム1と2で245点、238点という高スコアをマークし、2連勝で一気にリードを奪います。

しかし、ゲーム3と4ではスコアが伸び悩み、2連敗。特にゲーム4では200点を切るなど、調子に陰りが見え始めました。

それでもチームはすぐに立て直し、ゲーム5と6で225点、215点を記録して再び連勝。粘り強くポイントを重ねていきました。最終ゲーム(ゲーム7)は193点とスコアが伸びずに敗北しましたが、最終成績は4勝3敗、計12ポイント

結果的に、アメリカ、韓国、日本、シンガポールの4チームが12ポイントで並ぶ大混戦となり、準決勝進出を懸けたロールオフ(1ゲームのプレーオフ)に突入することになりました。

 

ロールオフ:一投の重みを背負った1ゲーム

ロールオフは、たった1ゲームで勝負が決まる極限の戦い。上位3チームのみが準決勝へ進出し、最下位はその場で敗退となります。

この決戦で、アメリカチームはローレン・ルッソの3-10ベイビースプリット(難易度の高い残りピン)を見事にカバー。続いてジリアン・マーティンとシャノン・プルホウスキーの終盤の連続ストライクで流れを引き寄せ、スコア200を記録しました。

最終結果は、韓国が215点で1位、アメリカが200点で2位、日本が197点で3位シンガポールは174点で惜しくも敗退となり、準決勝進出を逃しました。

この激戦の後、チームの要であるブリアナ・コテは次のように語りました。

準決勝に進出できたのは、これまでのすべての試合経験を活かした結果です。選手それぞれが自分の役割を果たし、同じ目標に向かって団結できたことが勝因です。最後の瞬間、私たちは“チームUSAの心”を世界に見せることができました。」

 

次の舞台はクイーン・エリザベス・スタジアム

準決勝と決勝は、香港・ワンチャイの「クイーン・エリザベス・スタジアム」で開催されます。この会場は、アメリカ女子チームが2025年1月に開催されたIBFワールドカップで金メダルを獲得した場所でもあります。

シャノン・プルホウスキーは「このスタジアムでの経験が、次の試合での自信になるはず。再び素晴らしい結果を出したい」とコメント。

また、ローレン・ルッソは次のように語りました。

金メダルを手にすることは、すべての犠牲と努力が報われる瞬間です。自分自身だけでなく、チームメイト、コーチ、そして私たちを支えてくれたすべての人々への恩返しになります。」

 

今後の試合予定とその他の結果

  • 女子チーム準決勝:アメリカ vs 韓国、マレーシア vs 日本

  • 男子チーム準決勝:ドイツ vs フランス、スウェーデン vs 韓国

なお、アメリカ男子チームは予選15位に終わり、準決勝進出はなりませんでした。7ゲーム合計1447点、平均206.71という成績で、惜しくも敗退。

大会は12月6日(金)にすべての競技が終了し、ビクトリーバンケットで閉幕となります。

 

団結力でつかんだメダルへの切符

アメリカ女子チームは、個々のスキルだけでなく、試合中の修正力とチームとしての団結力を武器に、国際舞台で再び結果を残しつつあります。準決勝以降の戦いでは、過去の経験とプレッシャーへの対応力が試されることになるでしょう。果たして、再び表彰台の頂点に立つことができるのか、注目が集まります。