マランダ・パティソン選手、PWBAマートルビーチ地区大会で堂々の初優勝

若き才能が地方大会で開花

2025年11月8日、サウスカロライナ州マートルビーチで開催されたPWBA(プロ女子ボウリング協会)マートルビーチ地区大会において、カリフォルニア州レッドウッドバレー出身のマランダ・パティソン選手が見事優勝を果たしました。決勝では、第1シードのクリスティーナ・カトー選手を217対186で破り、キャリア初のPWBAタイトルを獲得しました。

この勝利により、パティソン選手は賞金2,000ドルとともに、来月開催される「PWBAリージョナル・ショーダウン」への出場権も手に入れました。彼女にとっては、昨年8月にPBA(プロボウラーズ協会)地区大会で優勝して以来、プロ2度目のタイトル獲得となります。

 

激戦を制した圧巻のパフォーマンス

予選から上位を維持し、決勝ラウンドへ

パティソン選手は、全42名が参加した予選ラウンドを通して、8ゲームで合計1,630点を記録し、第2位で決勝進出を果たしました。今回の大会では、オイルパターンが41フィートという技術を要する設定で、予選通過者の中でも平均スコア200以上を出せたのは、ステップラダーファイナル進出者4名のみという高難度の戦いとなりました。

 

準決勝:8連続ストライクで観客を魅了

準決勝の対戦相手は、今季すでに地区ツアー優勝歴のあるブルック・ロバーツ選手。この試合でパティソン選手は、開始から8連続ストライクという会心の立ち上がりを見せ、スコアは大会最高の265点を叩き出しました。

一方、ロバーツ選手は第2フレームと第6フレームでオープンとなり、追い上げができず187点止まり。結果、パティソン選手が圧倒的なスコア差で決勝に進出しました。

「この試合で出せた265点は、今大会のハイゲームであり、彼女の実力と冷静さを証明する内容だった」と関係者も高く評価しています。

 

決勝戦:冷静沈着な投球で初タイトルを奪取

決勝戦の相手は、今大会第1シードで地元の強豪、ノースカロライナ州ムーアズビルのクリスティーナ・カトー選手。試合序盤、カトー選手は第1〜第3フレームで2度のオープンフレームを出しながらも、第5〜7フレームで3連続ストライク(ターキー)を決めて猛追します。

しかし、第8フレームで2-4-5の残りピンを残し、続く第9フレームでは3-6-10のうち6と10しか倒せず3度目のオープン。最終フレームでもオープンとなり、最終スコアは186点にとどまりました。

それに対し、パティソン選手は試合全体を通してポケットを外したのはわずか2回のみ。一度もオープンフレームを出すことなく、安定感抜群の投球で217点を記録し、堂々の勝利を収めました。

「今日の勝利は、これまでの努力が実を結んだ結果。正直、言葉にできないほど感謝の気持ちでいっぱいです」とパティソン選手は語りました。

 

成長の軌跡と今後への展望

パティソン選手は大学時代、マッケンドリー大学とジャクソンビル州立大学の両校で活躍し、計4回のオールアメリカン選出、そしてNCAAボウリング選手権で2022年と2024年にそれぞれ優勝という実績を残しました。

さらに、2025年初頭にはネバダ州リノで開催された「チームUSAトライアル」にて代表に選出され、今や全米の注目を集める若手選手です。

「大学からプロへの移行は、想像以上に学ぶことが多いです。ここ数年、ナショナルツアーでは苦戦していますが、自分よりも上手な選手たちと過ごすことで、成長の機会が得られています」と語るパティソン選手は、謙虚さと向上心を併せ持つアスリートです。

彼女は「常に学び続ける姿勢を忘れず、今この瞬間に感謝することが重要」と話し、今回の勝利が今後の自信につながるとコメントしています。

 

ショーダウンでのさらなる飛躍に期待

今回の優勝により、パティソン選手は12月4日〜6日にフロリダ州サンフォードで開催される「PWBAリージョナル・ショーダウン」への出場資格を獲得しました。この大会は、今年の地区ツアー優勝者9名のみが出場権を得る特別な大会であり、優勝者には2026年のPWBAナショナルツアー出場費の全額免除という特典も用意されています(混合大会を除く)。

「ショーダウンでは本戦出場を目指すと同時に、次のステップへの自信を深めたい。できれば賞金で来季の出場費もカバーしたいですね」と笑顔で語ったパティソン選手の表情には、確かな自信と前向きな意欲が感じられました。

マランダ・パティソン選手の挑戦はまだ始まったばかりです。若き才能がどこまで高みに上るのか、今後の活躍から目が離せません。