2025年PBA最優秀新人賞にライアン・バーンズ選手が輝く
史上初の“父子受賞”に注目が集まる快挙

若き才能、ライアン・バーンズがPBAで旋風を巻き起こす

アメリカ・テキサス州デントン出身のライアン・バーンズ選手が、2025年のハリー・ゴールデンPBAルーキー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)を受賞しました。これは、単なる新人賞の獲得にとどまらず、彼の家族が歩んできたボウリング界での歴史を新たに塗り替える、記念すべき出来事となりました。

 

記録と成績で裏付けされた圧巻のルーキーシーズン

◆ 歴代ルーキー最高の賞金額とポイント獲得

バーンズ選手は、年間獲得賞金113,502ドルを記録し、ルーキー史上最高額を更新しました。さらに、年間ポイント12,188ポイントを獲得し、全ルーキーの中でトップ、PBA全体でも年間11位にランクイン。これにより、現代のプレーオフ制度下で初めてプレーオフ出場を果たしたルーキーとなる歴史的快挙を成し遂げました。

これは誰にも奪えない成果。とても誇らしい」と語ったバーンズ選手の言葉には、自身の成長と努力への自信がにじみ出ています。

 

◆ 圧倒的支持での選出

今回の受賞は、PBA関係者とメディアによる投票で決定され、バーンズ選手は82%という圧倒的な得票率で選ばれました。その他の候補者には、カム・クロウ(9%)、ダレン・オン(6.5%)、ヘイデン・スティピック(2.5%)がいましたが、圧倒的な実績がバーンズ選手の評価を一段と高めました

 

◆ 安定感と実力を示す詳細な戦績

バーンズ選手のシーズン成績は、新人離れした内容です:

  • トップ5入り:3回

  • トップ10入り:4回

  • トップ25入り:9回

  • 賞金獲得試合数(キャッシュ):12回(全16試合中)

  • シーズン平均スコア:220.12(292ゲーム)

中でも、PBAプレイヤーズチャンピオンシップでの準優勝は、シーズンのハイライト。優勝には一歩届かなかったものの、世界トップレベルのプロたちと渡り合った実力を示す舞台となりました。

すべての大会でキャッシュしたかった。現実的ではなかったかもしれないが、12大会で達成できて満足している」と、結果に対する冷静な分析と前向きな評価も印象的です。

 

◆ 開幕からの好スタートと継続した活躍

バーンズ選手は、開幕戦で6位に入賞すると、その後もシーズン前半7大会中5大会でトップ12入り。安定感と実力の両面で高く評価されています。

この結果の背景には、オフシーズンでの地道な準備がありました。

シーズン前は、ボールスピードを遅くする練習や、オイルパターンの理解、プレースタイルの多様性を意識して取り組んだ」と語るように、技術的な引き出しを増やし、対戦相手に応じた柔軟な対応力を身に付けたことが成功のカギとなりました。

 

◆ アマチュア時代からの頭角と、家族の支え

バーンズ選手は2024年、ウィチタ州立大学の最終学年に在籍しながら、アマチュアとしてPBAプレイヤーズチャンピオンシップで3位入賞という実績を残していました。大学時代から、すでにプロ顔負けの実力を持っていたことがわかります。

また、彼の成功の背景には、家族からの強力なサポートもあります。

  • 父・クリス・バーンズ選手は1998年のPBA最優秀新人賞受賞者

  • 母・リンダ・バーンズ氏はUSBC殿堂入り選手

この結果、PBA史上初の“父子でのルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞”という偉業を成し遂げました。

父と同じ賞を獲れたのは本当にクールなこと。彼の経験が、自分にとっては“反則級”のアドバンテージ」と語るバーンズ選手。家族の力をプレッシャーではなく、“力”として受け入れている姿勢が、今後の飛躍を期待させます。

 

2026年は“ルーキー”から“タイトルホルダー”へ

バーンズ選手は、2026年シーズンに向けてさらなる目標を掲げています。

  • 「初タイトル獲得」が最大の目標

  • 年間ポイントランキングトップ10入り、できればトップ5入りを目指す

  • スコアや技術面での細かい統計的な改善も視野に

すでにルーキーという枠を超え、ツアーの主役となる日も遠くはないでしょう。

 

補足情報:ハリー・ゴールデンPBAルーキー・オブ・ザ・イヤーとは?

この賞は、PBAツアーの創設期から活躍し、1983年にPBA殿堂入りを果たした伝説のトーナメントディレクター、ハリー・“グース”・ゴールデン氏の名を冠したものです。毎年、その年に最も優れた活躍を見せたルーキー選手に贈られます。

過去の主な受賞者:

  • 2025年:ライアン・バーンズ

  • 2024年:ネイト・パーチェス

  • 2023年:コルテズ・シェンク

  • 2022年:サントゥ・ターヴァナイネン

  • 2021年:マット・ルッソ

  • 2020年:未授与(パンデミックの影響)

  • 2019年:マイケル・ホリマン

  • 2018年:キャムロン・ドイル

 

ライアン・バーンズ選手の活躍は、まさに“新時代の幕開け”を象徴しています。これからのPBAツアーで、彼がどのようなタイトルを手にし、どのような歴史を刻んでいくのか。今後の動向から目が離せません。