マレーシアのギリアン・リム選手が2025年PWBA最優秀新人賞を受賞
~国際舞台で存在感を放つ新星の挑戦と成長の軌跡~

マレーシア勢の快進撃、再び

2025年の女子プロボウリング界において、マレーシアの若き才能が再び世界を驚かせました。ギリアン・リム選手が、アメリカを拠点とするPWBA(Professional Women’s Bowling Association)ツアーで「最優秀新人賞(Rookie of the Year)」を受賞し、同国のボウリング界に新たな歴史を刻みました。これは、2024年にシン・リ・ジェーン選手が「年間最優秀選手賞(Player of the Year)」を受賞した快挙に続くもので、マレーシア人選手が2年連続でPWBA主要賞を獲得するという前例のない偉業です。

 

ギリアン・リム選手の挑戦と成長の記録

驚異的な安定感と成績

ギリアン・リム選手は、2025年のシーズン初戦となる「Go Bowling トピカ・オープン」のプレトーナメント予選をトップ通過するという華々しいデビューを飾りました。その後の本戦では15位に入り、プロとして初の賞金を獲得。この結果を皮切りに、彼女の躍進は加速していきます。

シーズンを通してリム選手は、

  • 10大会中4大会でトップ12入り

  • 4回のマッチプレー進出

  • 7回の賞金獲得(キャッシュ)
    という安定した成績を残しました。

シーズン合計では、214ゲームで合計45,548ピンを倒し、平均スコアは212.84を記録。このスコアはPWBAツアーで出場資格を持つ選手の中で14番目の高さというハイレベルな成績です。

これらの実績により、カナダの新人ジェイド・コテ選手に約25,000ポイントという大差をつけて最優秀新人賞を受賞しました。まさに、「頭一つ抜けた新人」といえる活躍でした。

 

経験を重視した姿勢がもたらした想定外の結果

注目すべきは、リム選手自身が当初から「結果よりも経験を重視する」姿勢を貫いていたという点です。

「PWBAツアー初年度の目標は、とにかく経験を積み、学び、自分の力を試すことでした。新人賞を取れるとは思っていなかったので、まさに嬉しい驚きです。」

リム選手は、大舞台での結果に一喜一憂するのではなく、長期的な成長を目指すことを優先。地に足の着いた姿勢と着実な取り組みが、今回の快挙へとつながったのです。

 

海外ツアーの過酷さとチームの支え

PWBAツアーは、レーンのコンディションや移動距離、競技環境の厳しさなど、従来の国際大会とは異なる過酷さを伴う舞台です。リム選手にとっても、初めてのシーズンは大きなチャレンジとなりました。

しかし、チーム・マレーシアの選手たちの存在が彼女を大きく支えました

「シン・リ・ジェーン選手、ナターシャ・ロスラン選手、MOTIV社のネイサン・ボー選手がいてくれたことが、適応の助けになりました。彼らからのアドバイスや支援がなければ、ここまでうまくいかなかったと思います。」

同郷の選手たちとの連携や情報共有が、初年度の不安を和らげ、リム選手の実力を最大限に引き出す結果へとつながりました。

 

歴史的な年:国際勢が主要賞を独占

2025年は、PWBAにとっても記念すべき年となりました。リム選手の最優秀新人賞に加え、シンガポールのニュー・フィー・フェン選手が年間最優秀選手賞を受賞。これにより、PWBA史上初めて、国際選手が両賞を同年に受賞するという歴史的な出来事が生まれました。

「こんな歴史的な瞬間の一部になれて、本当に信じられない気持ちです。フィー・フェン選手と一緒に表彰台に立てたことは、一生の思い出になるでしょう。」

この出来事は、PWBAツアーがグローバル化し、アジア選手が台頭している証ともいえます。今後ますます、国際的な注目を集めることでしょう。

 

新たなステージへ向けて

2025年の快進撃を終え、リム選手はすでに2026年シーズンに向けた準備を始めています

「次の目標は、一貫性とメンタル面の強化です。新人年で学んだことを活かして、もっとタイトル争いに絡めるよう努力します。」

また、チーム・マレーシア全体としても素晴らしい結果を残しています。

  • シン・リ・ジェーン選手、ナターシャ・ロスラン選手がトップ24入り

  • ハジラー・ラムリ選手がUSBCクイーンズで3位入賞

こうした成果は、マレーシアが女子ボウリングの世界的強豪国として確固たる地位を築きつつあることを示しています

2026年のPWBAツアーは、4月にイリノイ州ロックフォードの「The Cherry Bowl」で開幕予定です。ギリアン・リム選手のさらなる飛躍、そして国際舞台での活躍に、引き続き注目が集まります。