
USBCが高性能ボウリングボールの新規制を発表
全国大会での使用に大きな影響
ボウリング界に新たな波紋
アメリカボウリング会議(USBC)は、2026年1月から全国大会における高性能ボウリングボールの使用ルールを大幅に変更することを発表しました。特に、「オイル吸収の遅い高性能ボール(通称:ウレタン系ボール)」に焦点を当てた新ルールは、多くの選手やメーカーに影響を与えることが予想されます。
今回の規制は、競技の公平性、レーンパターンの維持、選手育成の観点から導入されるもので、既存の承認済みボールや若年層向け大会にも段階的な制限がかけられます。
変更内容とその背景
新ルールの概要
USBCは以下のようにルールを分類しています。
【全国大会で全面禁止される大会(硬度に関係なく使用不可)】
U.S.オープン
USBCマスターズ
PWBAツアー(全ナショナル&リージョナルイベント含む)
U22マスターズ&クイーンズ
大学チーム・シングル選手権(ナショナル)
USAボウリングナショナルチャンピオンシップ
【硬度78D以上の場合のみ使用可能な大会】
USBCオープン選手権
USBC女子選手権
ボウラーズジャーナル選手権
USBCシニアマスターズ
USBCスーパーシニアクラシック
USBCシニアクイーンズ
ユースオープン選手権
【予選のみ使用可(決勝からは全面禁止)】
ジュニアゴールド選手権
【変更なし(引き続き使用可)】
Team USAトライアル
大学リーグ(セクショナル・通常シーズン)
ジュニアゴールド予選
USAボウリングリージョナル
USBCシニア選手権
USBCユーススクラッチ選手権
フォーティフレームゲーム
サバイバートーナメント
対象となるボール
2022年8月1日以前に製造された「オイル吸収が遅い高性能ボール」は、硬度にかかわらず全国大会では使用不可。
オイル吸収時間が90分を超える高性能ボールは、2025年12月31日以降、「硬度78D以上」でなければ、販売や使用が認められません。
なお、エントリーレベルのリアクティブボールや高性能コアを持たないボールはこの規制の対象外です。
なぜこの変更が必要だったのか?
USBCによると、今回の変更は以下の4つの懸念に基づいています。
レーンパターンの崩壊
→ オイル吸収が遅いボールは、レーン上のオイルパターンを急速に変化させ、他のプレイヤーに不利を与える。競技の公平性
→ 異なるタイプのボールが混在することで、選手のスタイルによって著しい有利・不利が発生。選手育成への悪影響
→ 特定の性能に依存することで、若手選手の技術的成長や柔軟性が損なわれる可能性。ルール運用と公正性の確保
→ ボールが経年で柔らかくなるため、意図的な加工との見分けが困難になり、大会での混乱や抗議の原因に。
USBCのチャド・マーフィー事務局長は、「この方針は、選手育成、レーンの維持、競技の公平性といった重要課題に対する前向きな対応である」と述べ、完全な合意が得られるとは限らないが、競技全体にとって有益な改善であると強調しました。
ボウリングの未来と規制の役割
今回のルール変更は、単なる用具規制ではなく、競技そのものの在り方を問い直す試みと言えるでしょう。特に、若年層や大学リーグへの配慮を残しながらも、全国大会における公平性と健全性を重視するUSBCの姿勢がうかがえます。
この変更により、選手やメーカーは対応を迫られることになりますが、長期的にはボウリングの競技価値と観戦魅力の向上に繋がる可能性もあります。
詳細なリストやFAQ、動画による解説は、公式サイト BOWL.com にて公開されています。関係者や競技者は早めの確認と対応をおすすめします。
参考リンク:
USBC公式サイト:https://www.bowl.com