
ブリタニー・スミス選手が2025年PWBAピオリア・リージョナルで優勝
2度目のリージョナルタイトルを劇的な逆転で獲得
復帰戦でつかんだ大きな勝利
2025年8月、イリノイ州ピオリアにあるランドマーク・レクリエーション・センターで開催されたPWBA(プロフェッショナル女子ボウリング協会)ピオリア・リージョナル大会にて、ブリタニー・スミス選手(アイオワ州アデル出身)が見事な逆転劇で優勝を果たしました。
産休からの復帰戦にもかかわらず、冷静かつ高精度な投球を見せたスミス選手の戦いぶりは、多くのファンの注目を集めました。
限られた準備、怪我との戦い、そして逆転劇
産休明けの挑戦と限られた練習時間
スミス選手は、6月にネブラスカ州リンカーンで開催された全米女子オープンを最後に、競技から一時離れていました。理由は、妻サラさんとの間に生まれる第三子の妊娠をサポートするため。
「グリーンベイのツアーをキャンセルした後は、ほとんど練習もできなかった」と本人が語るように、今大会までの準備期間は非常に限られていました。
それでも数回の練習を経て臨んだ今大会では、予選8ゲームで1,715ピン(平均214超)を記録し、全体2位で準決勝進出。1位との差はわずか6ピンという接戦でした。
準決勝:接戦の末に掴んだ勝利
準決勝では、メラニー・マクダニエル選手(イリノイ州ジョリエット)と対戦。スミス選手は序盤から好調で、4連続ストライクを記録し、試合を優位に進めました。
しかし、5フレーム目での4-9スプリットによりオープンフレームとなり、ペースがやや落ちます。さらにレーンの変化により、リズムをつかみにくい展開に。
対するマクダニエル選手も、6フレーム目に1-2-4-10のワッシュアウトをミスし、苦戦するものの、続くフレームでダブルストライクを取り、巻き返しを狙います。
スミス選手は最終フレーム直前に9番ピンをミスし、プレッシャーを感じる展開となりましたが、マクダニエル選手がラストで2-4-5-7-8のバケットピンを取りきれずに終了。
結果は199対183でスミス選手が決勝に駒を進めました。
決勝戦:粘りと集中力で逆転勝利
決勝の相手は、ブランディ・コルデレスキー選手(イリノイ州マスカウタ)。コルデレスキー選手は試合序盤から圧倒的な攻撃力を見せ、6フレーム中5ストライクで一気にリードを広げます。
スミス選手は序盤でリードを許すも、ノーミスで試合を維持し続ける安定感でプレッシャーを与え続けます。中盤以降、コルデレスキー選手が8フレーム目でオープンを記録し、スミス選手が徐々に追いつく展開に。
9フレーム目、コルデレスキー選手がストライクを決め、最終フレームでもう1つストライクを出せば勝利という場面。しかし、完璧な投球にもかかわらずポケット7-10スプリットが残るという不運に見舞われ、191ピンで試合を終えます。
スミス選手は最後のフレームでストライクと1-2-10のワッシュアウトを見事にカバーし、195ピンで逆転勝利。
これにより、2度目のPWBAリージョナルタイトルと2,200ドルの賞金を獲得しました。
痛みに耐えて勝利を掴んだ精神力
この大会期間中、スミス選手は股関節の痛み(梨状筋症候群)を抱えていたことも明かされました。
「本来はハムストリングが使われるべき動作を、股関節が代わりにしてしまい、痛みが強くなる」と彼女は語ります。
それでもプレーを止めることなく、自分の体と向き合いながら投球を続けました。
また、スミス選手にとって今大会の結果は、フロリダ州サンフォードで開催されるPWBAリージョナル・ショーダウン(12月4〜6日)への自動出場権も意味します。
「このレベルで再びプレーできるのは素晴らしい経験。たぶんフロリダには行けると思う。生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、家族5人での初旅行になる」と、家族への思いも口にしました。
努力と家族愛で掴んだ、価値あるタイトル
ブリタニー・スミス選手の復帰戦は、ただの勝利ではなく、精神力・技術・家族愛が結実した象徴的な大会となりました。
今シーズンのリージョナル優勝者たちとともに、年末の「PWBAリージョナル・ショーダウン」での優勝を目指すことになります。
この大会で優勝すれば、2026年のPWBAナショナルツアー・シングルス戦全試合のエントリー費用が免除される特典も待っています。
次のリージョナル大会は、9月14日にイリノイ州ロックフォードで開催される「PWBAロックフォード・リージョナル」。スミス選手をはじめとする選手たちのさらなる活躍に注目です。