
カーラ・マンジオラ、初のPWBA地域タイトルを獲得
圧巻のパフォーマンスで優勝
悲願の初タイトルをつかんだマンジオラの快進撃
2025年8月17日、オハイオ州コロンバスのHPLボウリングセンターで開催された「PWBAグレーターコロンバス・リージョナル」において、ニューヨーク州ケンモア出身のカーラ・マンジオラ(29歳)が、自身初となるPWBA(全米女子プロボウリング協会)地域大会のタイトルを獲得しました。
これまでマンジオラは地域大会で2度ステップラダー決勝進出を果たしていましたが、優勝には届かず悔しい思いを重ねてきました。今回の勝利は、彼女の努力と変化が実を結んだ象徴的な大会となりました。
予選から決勝まで―緻密な戦略と精神力が導いた勝利
自己ベスト更新で快調なスタート
マンジオラは大会序盤から好調な滑り出しを見せました。予選では279-269-278の3ゲーム合計826点という、キャリアベストのシリーズスコアを叩き出しました。この勢いにより、8ゲームの予選終了時点でトップ争いに加わります。
しかし最終ゲームで、オハイオ州デイトンのリンジー・ファーナスが254点の高スコアを記録し、マンジオラは惜しくも第2シードとして決勝へ進出することになりました。
「この勝利には大きな意味がある」とマンジオラは語ります。「過去2回ファイナルに出たけど勝てず、今年の全国ツアーでは成績が振るわなかった。だから今回は心機一転、フォームや道具に変化を加えました。」
準決勝:トリシャ・リードとの死闘、1ピン差のドラマ
準決勝では地元コロンバス出身のトリシャ・リードとの対戦。マンジオラは試合開始から6連続ストライクという好スタートを切ります。一方のリードも負けじと4連続ストライクを決め、激しい打ち合いとなりました。
リードは第7フレーム以降、5連続ストライクで最終スコア267点を記録。マンジオラが勝利するには、10フレームすべてストライクが必要というプレッシャーのかかる展開でした。
それでもマンジオラは落ち着いて投球し、10フレームで3連続ストライクを決めて268-267で勝利。1ピン差の逆転劇で、決勝への切符を手にしました。
「自分でも驚くほど冷静だった。この試合は、相手も自分も最高のボウリングをしていた。勝っても負けても納得できる試合だった」とマンジオラは振り返ります。
決勝戦:ファーナスを寄せ付けず完勝
決勝の相手は予選トップのリンジー・ファーナス(39歳)。この試合でマンジオラは開始から5連続ストライクを決めるなど、勢いそのままに攻めの姿勢を貫きます。
対するファーナスは第1フレームでストライクを決めたものの、第2フレームで7ピンのスペアを失敗し、オープンフレームに。このミスが響き、その後も波に乗り切れませんでした。
一方、マンジオラは終盤に6連続ストライクを記録し、最終スコア279点をマーク。ファーナスは215点に留まり、マンジオラが堂々の初タイトル獲得となりました。
「唯一の右利き選手として、自分のレーンコンディションを作りやすかったのも有利に働いた」とマンジオラは分析します。他の選手が左利きだったため、右側のレーンが乱されず、自分の投球を貫くことができたようです。
勝利を支えた技術と道具の見直し
今回の勝因の一つに、マンジオラ自身が語る“小さな変更”がありました。
リストブレースの再着用:2年前から外していたが、今回から再装着。
テニスシューズに変更:従来のボウリングシューズではバランスを崩しやすかったため、あえてスライドしない靴に変更。
「全米オープンで靴が壊れたこともあって、新たなスタイルに切り替えました。この2つの変更が、今日は本当に功を奏したと思う」と語ります。
家族の支えと喜びの瞬間
大会には母・ロリーンさんも駆けつけており、娘の初優勝を目の当たりにしました。「母のほうが泣いていたかもしれない。普段は父の方が騒ぐタイプだけど、今回は母の声がずっと聞こえてきた」と、家族の温かい応援が心の支えになったことも明かしました。
ショーダウン進出でさらなる飛躍へ
この勝利により、マンジオラは12月4日~6日にフロリダ州サンフォードで開催される「PWBAリージョナル・ショーダウン」への出場権を獲得。これまで同大会ではあと一歩で本戦進出を逃していたため、今年は確実に本戦から出場できることに喜びを感じているといいます。
「12月にフロリダへ行けるのも嬉しい。バッファローの冬から一時的に逃れられるし、安心して試合に臨める」と笑顔を見せるマンジオラ。
次回のPWBA地域大会は8月24日にイリノイ州ピオリアで開催予定。今後も彼女の活躍から目が離せません。