
PBA、中国で地域プログラムを10年ぶりに再始動
ロングマーチ・ボウリングと長期提携
PBA、中国市場での再起動
プロボウラーズ・アソシエーション(PBA)は、2025年10月より中国地域プログラムを本格的に再開することを発表しました。これに伴い、ロングマーチ・ボウリング(Longmarch Bowling)と10年間にわたる長期パートナーシップ契約を締結。世界最高峰のボウリング競技を中国で継続的に展開するという歴史的な取り組みが始まります。
2019年に開催された「PBAチャイナ・タイガーカップ」を最後に、新型コロナウイルスの影響で活動が停止していたPBAの中国展開が、ついに本格的に復活を果たします。
10年間で中国のボウリング界に革命を起こすPBAの挑戦
1. PBAとロングマーチの戦略的パートナーシップ
今回のパートナーシップは、PBAのグローバル展開戦略の中でも特に重要な一手とされています。PBAコミッショナーのトム・クラーク氏は次のように述べています。
「この長期的な協力は、PBAの世界展開において極めて重要なステップです。中国市場は、ボウリングの国際的な成長において不可欠な存在と認識しています」
一方、ロングマーチ・ボウリングのフランク・チャオ氏は次のようにコメントしました。
「中国にはボウリングというスポーツを大きく成長させるポテンシャルがあります。PBAのブランド力と世界的な資源を活かすことで、業界全体の活性化につなげていきます」
2. 2025年〜2026年の大会スケジュール
契約の第一弾として、3つのPBA中国大会が発表されています。これらはすべて上海市のロングマーチ・ボウリングセンターで開催予定であり、国内外のボウラーが多数参加する見通しです。
PBAチャイナ・トリビュート・トゥ・パイオニアズ選手権
開催日:2025年9月18日〜21日
PBA中国プログラム再開を記念する大会であり、これまでの歴史を讃える象徴的なイベント。PBAチャイナ・スコーピオン選手権
開催日:2026年1月2日〜3日
PBA定番の「アニマルパターンシリーズ」の一環として、戦術性が問われるトーナメント。2026 PBAチャイナカップ
開催日:2026年10月2日〜4日
年間を締めくくる大型大会として、アジア各国からも多数の参加者が見込まれる。
これらの大会を通じて、中国国内の選手たちに世界レベルの競技経験を提供すると同時に、国際的なボウリングコミュニティとの交流の場を創出することが期待されています。
3. 「パイオニアズ・プログラム」の成果と継続的発展
PBAとロングマーチの関係は今に始まったことではなく、2014年から始まった「パイオニアズ・プログラム」にまで遡ります。これは、中国人ボウラーのPBAメンバー登録を支援する取り組みであり、これまでに100名以上の中国人選手がPBAに加入しています。
一部の選手は、アメリカで開催される「PBAワールドシリーズ・オブ・ボウリング」にも出場し、国際的な経験を積む機会を得てきました。このプログラムは、中国国内におけるプロ選手育成の土台となっており、今後さらに強化されていく見通しです。
4. 2019年の「チャイナ・タイガーカップ」が築いた実績
PBAが中国で初めて開催した国際大会が2019年の「PBAチャイナ・タイガーカップ」です。この大会には、その年のPBAランキング上位7名が出場し、中国およびアジア各国から数百名の選手たちが参加しました。
この成功は、PBAと中国のボウリング界が今後さらに連携していくための重要な土台となりましたが、直後に発生したコロナ禍によってプログラムは一時停止。今回の10年契約は、その中断を経ての「完全再始動」であり、過去の成果を礎として、より強固なプラットフォームを築いていくことになります。
5. ボウリングと業界全体の再活性化へ
フランク・チャオ氏は、中国のことわざ「提綱挈領(Ti Gang Jie Ling)」を引用し、以下のように語っています。
「要点を掴めば、すべてがうまく動く。このパートナーシップを通じて、中国と世界のボウリング界をつなぐ架け橋を築いていきます」
この表現が示す通り、今回の契約は単なるスポーツイベント開催にとどまらず、ボウリング業界全体の構造的な再構築をも視野に入れたものであることが分かります。
中国と世界を結ぶ新たなスポーツ交流の幕開け
PBAとロングマーチ・ボウリングの10年契約は、中国のボウリング界にとって大きな転換点となります。再始動する大会群は、選手育成・国際交流・業界拡大の三本柱を支える重要な足がかりとなるでしょう。
今後は、中国から世界へ飛躍する新たなスター選手の誕生や、スポーツを通じた国際的なパートナーシップの深化にも注目が集まります。今後の大会運営とボウリング文化の発展に、引き続き注目していきたいと思います。
関連情報リンク:
詳しくは、PBAチャイナ・リージョナルツアーの公式サイトをご確認ください。