再び頂点へ——プルホウスキーが見せた強さと粘り

米オハイオ州デイトン出身のシャノン・プルホウスキーが、2025年のプロ女子ボウリング協会（PWBA）ツアー最終戦「ツアーチャンピオンシップ」で圧巻の勝利を収めました。これにより、彼女はキャリア3度目のメジャータイトル、通算6勝目を記録。8月9日に行われた「PWBAペプシオープン」に続き、2大会連続優勝を果たしました。この結果、彼女はPWBA殿堂入り資格を取得し、シーズンを最高の形で締めくくりました。

激戦の末の勝利、その舞台裏

決勝戦の模様：苦しい前半からの巻き返し

決勝戦の舞台は、ニューヨーク州ロチェスターの「ABCゲーツボウル」。プルホウスキーはイングランド出身のヴェリティ・クロウリーと対戦しました。試合序盤は両者ともに思うようなスコアを出せず、プルホウスキーは第5フレーム終了時点で85ピンと苦戦。4-6-10のスプリットを出すなど、波に乗り切れない展開となっていました。

一方、クロウリーも同様に苦しみ、オープンフレーム2回、ストライクも2回のみと停滞。前半終了時点では70ピンという低調な内容でした。

しかし、コマーシャルブレイクを挟んだ後、プルホウスキーが一気に流れを引き寄せます。第6フレーム以降、2連続ストライク（ダブル）を決め、その勢いを保ったままさらに2回のストライクを追加。対するクロウリーも応戦しましたが、10ピンを残す惜しい投球が続き、徐々に点差が広がっていきます。

勝負を決した終盤の冷静な投球

試合終盤、プルホウスキーは第9フレームでのストライクが必須というプレッシャーの中で完璧な投球を披露。続く第10フレームでも2つのストライクを決め、最終スコアは235ピン。一方、クロウリーは最後のフレームでスプリットを出し、167ピンで終了。最終的にプルホウスキーが優勝とともに5万ドルの賞金を獲得し、クロウリーは2位として2万5千ドルを手にしました。

波乱のシーズンを象徴するドラマ

今シーズンのプルホウスキーは序盤で苦しみ、ツアーチャンピオンシップ週の開始時点ではランキング31位。そこから、ロチェスターオープンで7位入賞し、さらにペプシオープンで優勝。その結果、ツアーチャンピオンシップの出場権を得て13位シード入り。まさに崖っぷちからの這い上がりでした。

また、これまでテレビ中継でのトップシードとして0勝3敗という不名誉な記録を持っていた彼女にとって、今回の勝利は大きな雪辱を果たすものとなりました。

プルホウスキーは試合後、「今シーズンはあまりいい成績ではなかったけれど、最後に良い形で終われてうれしい」と語りました。また、「たとえ0勝50敗でも、1ゲームだけでタイトルを決める方が私は好き。10投で勝負が決まるし、レーンの変化も少なくて楽だ」と、トップシードとしての戦い方に自信をのぞかせました。

他の選手たちの活躍と名勝負

準決勝では、カリフォルニア州ロングビーチ出身のステファニー・ザヴァラが健闘。第4シードのジョーダン・スノッドグラス（ミシガン州）に185-150で勝利した後、第3シードのローレン・ルッソ（ミズーリ州）を233-170で下し、勢いに乗っていました。

クロウリーとの準決勝では、クロウリーが5連続ストライクで先行。ザヴァラも食らいつきましたが、左レーンで10ピンがなかなか倒れず、リズムに乗り切れない展開。それでも粘りを見せましたが、最終的に233対215でクロウリーが勝利。ザヴァラは第3位で1万5千ドルの賞金を獲得しました。

一方、スノッドグラスは5位で1万ドル、ルッソは4位で1万2千ドルを手にし、今大会でも存在感を示しました。

年間最優秀選手はシンガポールのニュー・ホイ・フェン

今大会の中継中に、2025年PWBA年間最優秀選手（Player of the Year）の発表も行われ、シンガポールのニュー・ホイ・フェンが選出されました。彼女は今季3勝を挙げ、ポイントランキングで94,550ポイントを獲得。全選手中最多勝と最多ポイントでの堂々たる受賞でした。

惜しくも選ばれなかったスノッドグラスは、もしザヴァラに勝っていれば逆転受賞の可能性がありましたが、93,125ポイントで年間2位に終わりました。

プルホウスキーの勝利が示した可能性と希望

2025年のPWBAナショナルツアーは、5月の「Go Bowling トピカオープン」からスタートし、3つのメジャー大会を含む激戦が繰り広げられました。今シーズン最終戦でのシャノン・プルホウスキーの劇的な勝利は、彼女の粘り強さと精神力、そして再起を信じる力の強さを証明しました。

今後のスケジュールとしては、8月17日にオハイオ州コロンバスで「PWBAコロンバス・リージョナル」が開催されます。さらに、2026年のPWBAナショナルツアーはイリノイ州ロックフォードから開幕予定です。