
PBA50 TOC −− ジョン・ジャナウィッツが首位をキープ
年間最優秀選手争いが佳境に
熾烈を極めるPBA50シーズン、注目のTOCでジャナウィッツがリード
2025年のPBA50ツアーもいよいよ大詰めを迎え、年間最優秀選手(Player of the Year)の行方が注目されています。その中で、ジョン・ジャナウィッツ選手が「ジョニー・ペトラグリア PBA50 トーナメント・オブ・チャンピオンズ(TOC)」での活躍により、トップの座を守り続けています。
試合内容と戦略、そしてライバルたちの動向
■ 圧巻の7勝1敗、安定したスコアで首位堅持
ジャナウィッツ選手は、マッチプレー8ゲーム中7勝1敗という堂々の成績を記録。2位のミカ・コイブニエミ選手に対して69ピンの差をつけ、総合スコア7,361点(ボーナスポイント込み)で首位に立っています。
1ゲームごとのスコアは以下の通り:
237
184
235
218
222
247
213
185
特に247点を記録した第6ゲームでは、周囲の選手が苦戦する中で抜きん出たスコアを出し、勝負所での集中力の高さを見せつけました。
ジャナウィッツ選手は、「レーンは最初の1ゲーム目は問題なかったが、その後は他の選手たちの“科学実験”のようなプレースタイルに合わせるのが難しくなる。状況は常に変化するから、とにかく準備と柔軟性が鍵なんだ」と語っており、レーンの変化を見極める目と戦略的対応が勝因の一つとなっています。
■ 秘密兵器:45個以上のボールを活用した巧みな選球術
この日の試合で注目すべきは、車に積んだ45個以上のボールを活かした戦略的なボール選択です。
マッチプレー中、クリス・ウォーレン選手が特定のボールで好成績を挙げているのを見て、ジャナウィッツ選手は同じボールを車から持ち出し、すぐに実戦投入。その結果、スコア235点と218点を連続で記録するという見事な対応を見せました。
さらに、試合後にも新たなボールを1個ドリル加工して追加。翌日に向けた準備も怠らず、「多すぎる選択肢は時に混乱を生むが、自分なりに状況を整理しながらコントロールしている」と語る姿勢は、彼の熟練の証です。
「“分析しすぎて行動できなくなる”状況には陥らないように常に意識している。あとは、“明日は8ゲームしっかり投げて、上位で決勝に進めるようにするだけ”」と、冷静かつ実直なコメントが印象的です。
■ 年間最優秀選手のタイトル争い、残るは一日
現在、ジャナウィッツ選手は年間ランキングで2位のブラッド・アンジェロ選手に500ポイント差をつけてトップに立っています。ただし、残りのトーナメントで獲得可能なポイントは最大7,500点。そのため、現時点ではまだ何も確定しておらず、最後の一戦が運命を左右する状況です。
ミカ・コイブニエミ選手は6,290ポイント差と大きく離れているものの、今回のTOCでの順位次第では逆転の可能性もわずかに残っています。
■ ライバルたちの激しい追い上げ
他の選手たちも最後の決勝進出に向け、全力で挑んでいます。
ミカ・コイブニエミ選手:総スコア7,292点で2位につける。1,793ピンのスコアで確実にチャンスを伺う。
ミッチ・ビーズリー選手:7,276点で3位。安定感あるプレーが光る。
パーカー・ボーンIII世選手:13位から一気に4位へジャンプアップ。初戦から7連勝し、第8ゲームではランディ・ワイス選手と引き分け。日中最高スコア1,823点を記録し、絶好調。
ブラッド・アンジェロ選手:年間ランキング2位、TOCでは現在5位と、ジャナウィッツ選手にプレッシャーをかけ続ける。
■ 現在のトップ10(ボーナスポイント込み)
順位 | 選手名 | 合計スコア |
---|---|---|
1位 | ジョン・ジャナウィッツ | 7,361 (+961) |
2位 | ミカ・コイブニエミ | 7,292 (+892) |
3位 | ミッチ・ビーズリー | 7,276 (+876) |
4位 | パーカー・ボーンIII世 | 7,252 (+852) |
5位 | ブラッド・アンジェロ | 7,224 (+824) |
6位 | トム・ヘス | 7,166 (+766) |
7位 | クリス・ウォーレン | 7,102 (+702) |
8位 | ランディ・ワイス | 7,080 (+680) |
9位 | アムレト・モナチェリ | 7,076 (+676) |
10位 | ダン・ノウルトン | 7,073 (+673) |
決戦の土曜日、運命を握る最後の8ゲーム
最終マッチプレーの8ゲームは、土曜日午前11時(東部標準時)より開始予定。このラウンドの結果により、上位5名が決勝ステップラダー方式のトーナメントに進出し、午後6時から「BowlTV」で配信されます。
年間タイトル、トーナメント優勝、そして名誉のステージがかかった一戦。ジャナウィッツ選手が逃げ切るのか、それともライバルたちが逆転のドラマを演じるのか——注目の決勝ステージはまもなく幕を開けます。