
トロイ・リント、PBA50ハムトラムク・シングルス・クラシックで首位浮上
復帰6大会目で首位発進!トロイ・リントが大逆転のスタート
2025年のPBA50ハムトラムク・シングルス・クラシックが、ミシガン州ハムトラムクのVision Lanesで開幕。多くの実力者が集う中、トロイ・リントが見事なパフォーマンスを披露し、予選初日終了時点で単独トップに立ちました。
彼はかつて数度の手術によってツアーを離れていましたが、今大会は復帰からわずか6大会目。その中での堂々たる活躍は、PBAファンにとっても非常に印象的なものとなっています。
名手たちの接戦と戦略、そして光る個々の技術
■ 278点で逆転、リントが「追いかける者」から「追われる者」へ
トロイ・リントは、7ゲームの合計スコア1,731(+331)を記録し、2位のパーカー・ボーンIIIに8ピン差をつけて首位に浮上しました。
注目はやはり最終第7ゲームでの278点。ボーンIIIと同組でプレーしていたリントは、そのラウンドの終了後に「最後のゲーム、278だったよ」とボーンに声をかけると、彼は「ああ、君に抜かれたな」と反応。リントは控えめに「たぶんそうだね」と応じました。
「彼(ボーンIII)は最高の選手。だから彼を追いかけるんだ。今日はたまたま最後に278が出て、運良く抜くことができた」と語るリントの言葉からは、尊敬の念と達成感がにじみ出ていました。
■ 安定した投球内容と最小限の調整
リントの7ゲームは、205、214、263、278、249、244、278と、後半にかけて大きくスコアが上昇。その全ゲームを通して、同じ黒のウレタンボール1個だけで投げ切ったことも特徴的です。
彼は「最初の2ゲームも悪くはなかったが、ボールがポケットをうまく突き抜けなかった。そこで手首の使い方と視線の調整を行い、レーンを早く読むことに集中した」と語ります。
この微調整によって、ストライク率が飛躍的に向上。後半5ゲームではすべて240点以上という、圧巻の内容となりました。
これにより、平均スコアは247.29という高水準を記録し、他の選手を圧倒。リントの戦略的な投球力と柔軟な対応力が光る一日でした。
■ 上位陣もわずかな差で追走中
2位につけたのはパーカー・ボーンIII。スコアは223、244、278、266、278、228、206=合計1,723(+323)で、リントとの差はわずか8ピン。
彼もまた、2ゲームで278点を叩き出すなど、トップクラスの安定感を見せており、2日目以降での逆転も十分に期待されます。
さらに、3位のトニー・オリーバ(1,722 / +322)、4位のジョン・ジャナウィッツ(1,706 / +306)、5位のトム・ドハーティ(1,700 / +300)と、トップ5の差はわずか31ピン以内という超接戦。
Bスクワッドの上位6名はいずれもスコア+300以上を記録しており、激戦の様相を呈しています。
■ Aスクワッドからはノールトンが健闘、自己評価は「B+」
Aスクワッドでは、ダン・ノールトンが合計スコア1,698(+298)でトップタイ(6位)にランクイン。スコア推移は277、258、221、257、256、235、194と、序盤から高スコアを連発しました。
ノールトンは「今シーズンは最も安定している年かもしれない。序盤はいつも苦戦するが、今回は1日目からしっかりスコアを出せたのが大きい」と手応えを口にしています。
使用したオイルパターンは36フィートのBallardパターンでしたが、「ワールドシリーズの時と比べてレーンの反応が全く異なった」と述べ、ウレタンを選択して全7ゲームを投げ切りました。
「自分の軸回転が最近安定してきている。今はその修正に集中している最中だけど、正しい方向に進んでいる」と、調整の成果に自信をのぞかせました。
熾烈な争い続く予選2日目、進出なるかアドバンサーラウンド
予選は2日目(水曜日)も続き、さらに7ゲームを実施して、上位32名がアドバンサーラウンドへと進出します。
初日を終えてトップに立ったリントですが、2位以下とはわずかなピン差しかなく、一つのミスや一つのストライクで順位が入れ替わる緊張感が漂います。
Bスクワッドは午前9時(東部時間)から、Aスクワッドは午後3時からそれぞれレーンに立ち、試合の模様はBowlTVにてライブ配信予定です。
果たしてリントはこの勢いを維持し、復帰後初優勝への足掛かりをつかむことができるのか。それとも経験豊富なベテラン勢が巻き返すのか――。注目の予選2日目が始まります。
🔟《現在のトップ10選手(予選第1日終了時点)》
順位 | 選手名 | 合計スコア(+) |
---|---|---|
1位 | トロイ・リント | 1,731(+331) |
2位 | パーカー・ボーンIII | 1,723(+323) |
3位 | トニー・オリーバ | 1,722(+322) |
4位 | ジョン・ジャナウィッツ | 1,706(+306) |
5位 | トム・ドハーティ | 1,700(+300) |
6位 | ランディ・ワイス | 1,698(+298) |
6位 | ダン・ノールトン | 1,698(+298) |
8位 | ブラッド・アンジェロ | 1,696(+296) |
9位 | マリオ・キンテロ | 1,660(+260) |
10位 | ミカ・コイブニエミ | 1,659(+259) |