ミカ・コイブニエミ、7年ぶりの優勝!
PBA50ペトラーグリア選手権を制す

復活の一投

フィンランドのレジェンド、再び頂点へ

2025年PBA50ツアーで、フィンランド出身のボウリング界のレジェンド、ミカ・コイブニエミがついに勝利を手にしました。
彼が制したのは、ミシガン州で行われたPBA50ペトラーグリア選手権
2018年以来となる優勝に、世界中のファンが歓喜に沸いています。

コイブニエミは昨シーズン、8大会連続で決勝進出するも、なかなか勝ちきれない日々が続いていました。
それでも地道な努力を重ね、ついに悲願の勝利をつかみ取りました。

「やっと実現した。今日が自分の日だった」
そう語るコイブニエミの言葉には、7年間の苦闘と情熱が詰まっています。

 

勝利への道筋

■ 地道な練習が生んだ技術改革

コイブニエミは、この勝利のために徹底した技術の見直しを行ってきました。
拠点とするミシガン州のTurbo 2-N-1 Grip本社では、創業者であり30年来の支援者でもあるデイブ・バーンハートSr.の協力のもと、連日練習に取り組んできたといいます。

「彼は鍵を渡してくれて、好きなときに練習できるようにしてくれた」
その環境の中で、リリースの改善とフォームの修正に集中。

「今年はボールを叩きすぎていた。もっと“転がす”意識が必要だった」
と振り返り、細かな点まで改善した結果が、今回の快進撃につながりました。

 

■ 準決勝:リズ・ジョンソンとの名勝負

準決勝の相手は、女子ボウリング界のレジェンド、リズ・ジョンソン
互いに高い戦術眼と技術を持ち、序盤から互角の展開に。ジョンソンは左レーンで4-6-7-10のスプリットという難ピンに苦しみ、ここで試合の流れが変わりました。

コイブニエミはこの機を逃さず、3連続ストライクでリードを拡大。
最後まで落ち着いた投球を続け、227対202で決勝進出を決めました。

試合後、コイブニエミは「彼女は史上最高のショットメーカーの一人。本当に素晴らしい選手」と称賛の言葉を送っています。

 

■ 決勝戦:No.1シード、ボ・ゴーゲンとの一騎打ち

決勝の相手は第1シードのボ・ゴーゲン。両者ともにPBA50での2つ目のタイトル獲得を目指しての大一番です。

ゴーゲンは、コイブニエミに難易度が高い左レーンでフィニッシュさせる戦略をとりましたが、それは裏目に出ました。

コイブニエミは序盤から安定した投球を展開。
第5フレームから怒涛の4連続ストライク、終盤には7連続ストライクで完全に主導権を握りました。

最後のストライクには、「Yes!」という叫びとともに拳を突き上げるガッツポーズ。観客からは拍手が鳴り響きました。

最終スコアは258対224。圧倒的な内容で勝利を手にしました。

 

■ リズ・ジョンソンの躍進も光る

今回のトーナメントで目立ったのは、リズ・ジョンソンの快進撃です。
第1戦ではブライアン・ルクレアを215-199で破り、続く第2戦ではトム・ドハーティに226-197で勝利
2連勝で準決勝進出を果たし、男子トップ選手相手にも堂々と渡り合いました。

準決勝で敗れたとはいえ、彼女の存在感と実力をあらためて印象づけた大会となりました。

 

積み重ねた努力が実を結ぶ

今回の優勝は、コイブニエミにとって単なる勝利ではなく、「すべては勝ち取るもの」という信念の体現でした。
長い年月をかけて磨き直したフォームと、ボウリングに対する情熱、そして周囲の支えがあってこその結果です。

次の戦いは、PBA50ホルマン選手権。ここでの成績は、金曜から始まるPBA50ワールド選手権の出場権に直結します。

現在、コイブニエミはランキング19位
トップ18入りが求められる中、次戦でも高い集中力と技術が必要とされます。

 

【大会結果まとめ】

■ PBA50ペトラーグリア選手権 最終成績:

順位選手名賞金
1位ミカ・コイブニエミ$5,000
2位ボ・ゴーゲン$2,500
3位リズ・ジョンソン$2,000
4位トム・ドハーティ$1,750
5位ブライアン・ルクレア$1,500

■ 試合スコア:

  • Match 1:ジョンソン def. ルクレア 215-199

  • Match 2:ジョンソン def. ドハーティ 226-197

  • Match 3:コイブニエミ def. ジョンソン 227-202

  • Final:コイブニエミ def. ゴーゲン 258-224

 

【次戦情報:ホルマン選手権】

  • 予選Aスカッド: 水曜午前9時(東部時間)

  • 予選Bスカッド: 水曜午後4時(東部時間)

  • 上位16名が木曜のベスト・オブ・ファイブのマッチプレーへ進出

全予選スコアは、WSOB III(PBA50ワールド選手権)の出場資格に大きく影響します。
次戦でも、コイブニエミの投球から目が離せません。

大会の模様はBowlTVにて配信中です。