
若き才能が躍動、ベテランも魅せた!
「中日杯2025東海オープンボウリングトーナメント」
東海の伝統、熱気再び
1970年に始まった歴史ある大会「中日杯東海オープンボウリングトーナメント」。2025年もその輝かしい伝統を受け継ぎ、6月27日(金)から29日(日)にかけて開催されました。今年も多くのプロ・アマチュア選手が全国から集まり、熱気あふれる3日間となりました。
会場は、男子予選・決勝が「アソビックスあさひ」、女子予選が「アソビックスかにえ」で実施。特に決勝戦の時間帯には、場内が満員となり、選手の一挙手一投足に歓声が上がる緊迫感あふれる雰囲気となりました。
プロとアマが交差する激戦
新星・倉持悠人、10代での歴史的快挙
男子部門で最大の話題となったのは、2005年生まれ、19歳のルーキー・倉持悠人選手(63期)。今年プロ入りを果たしたばかりの倉持選手は、今大会がプロ入りわずか3戦目。それにもかかわらず、予選・準決勝・決勝と安定したパフォーマンスで勝ち進み、男子最年少優勝記録を更新する快挙を成し遂げました。
決勝では、TEAM JAPANとしても活躍するベテランの吉田大祐選手との一騎打ち。序盤は互角の展開となり、両者ともにスペア・オープンが続くなか、倉持選手は終盤にダブルと10フレームのストライクで逆転勝利を飾りました。
この勝利により、倉持選手は初タイトルを獲得するとともに、将来の日本ボウリング界を担う存在として注目を集めることとなりました。使用ボールは「THE ONE URETHANE 78D」(EBONITE)と公表されています。
ベテラン・寺下智香、6年ぶりの栄冠で通算7勝目
一方の女子部門では、2014年プロ入り、47期の寺下智香選手が、6年ぶりの優勝を達成しました。決勝戦は同じ47期の小久保実希選手との同期対決。互いに序盤からストライクを連発し、緊張感のある一戦となりました。
寺下選手は3フレでスプリットを喫するも、冷静に立て直し中盤でストライクを重ね、最終フレームでの連続ストライクで試合を決定づける圧巻のパフォーマンス。彼女の目には勝利の涙が光り、まさに復活の象徴的勝利となりました。
今大会の優勝により、寺下選手は通算7勝目を記録。使用ボールは「COLLISION DISASTROUS」(DV8)で、完璧な調整力とメンタルの強さを見せつけた一戦でした。
男子・女子ともにドラマチックなシュートアウト
両部門ともに、決勝の前に行われたセミファイナルのシュートアウト(4名による1Gマッチ)では、目まぐるしく順位が入れ替わる白熱の展開となりました。
男子セミファイナルでは、倉持選手、吉田選手、渡邉航明選手、竹永竜星選手が出場。10フレームまでもつれ込む大接戦の末、倉持と吉田が勝ち抜け。渡邉は惜しくも敗退となりました。
女子セミファイナルでは、寺下、小久保、今井双葉、井﨑寛菜の4名が出場。ここでも寺下と小久保がストライクを重ね、圧巻の得点(寺下258、小久保240)で勝ち上がりました。
アマチュアも大健闘
今大会はアマチュアの活躍も大きな注目を集めました。男子では吉田大祐選手(稲沢グランドボウル)が準優勝に輝き、ベストアマの称号を獲得。女子でも19歳の藤林華音選手がベストアマに選ばれました。
プロと同じ舞台で、アマチュア選手が堂々とした戦いを繰り広げる姿は、多くの観客の心を打ちました。
次代のスター誕生と伝説の継続
2025年の東海オープンは、新時代の幕開けと、変わらぬ伝統の継承が交差する大会となりました。19歳で初優勝を飾った倉持悠人選手、6年ぶりの復活優勝を果たした寺下智香選手の存在は、今後のボウリング界に大きなインパクトを与えることでしょう。
そして、ベストアマやアマチュア上位入賞者の存在が、競技としてのボウリングの裾野の広さと可能性を改めて示してくれました。来年の大会では、またどんなドラマが生まれるのか。今から期待せずにはいられません。