
メアリッサ・ケアリー、予選6位からの快進撃
2025年全米女子オープン
予選6位からの逆襲、準決勝・マッチプレーで首位奪取
メアリッサ・ケアリーのここまでの歩みは、努力と成長を体現するストーリーです。プロボウラーとしてまだ経験が浅い彼女は、開幕前にはそれほど注目されていませんでした。しかし、予選ラウンドでは安定感のある投球を見せ、6位で通過。続く準決勝ラウンドでは、上位陣を次々に抑えて堂々の1位通過を果たし、勢いそのままにマッチプレーラウンドでも首位を維持しています。
マッチプレー第1ラウンド終了時点でのケアリーのスコアは8,604点(7勝1敗、ボーナス210点含む)。毎日異なるレーンコンディションの試合を戦う過酷な日程の中でも、常に高い集中力を維持し、冷静かつ的確な判断でスコアを積み上げています。彼女は試合後のインタビューで、「いいショットを打つこと、ボールを安定して投げること、取れるピンをしっかり拾うことを心がけている」と語っており、シンプルながら本質を突いたプレースタイルが今大会で結果につながっていることを実感しています。
現在のマッチプレー順位は以下の通りです:
1位:メアリッサ・ケアリー(8,604点/7勝1敗)
2位:ロシオ・レストレポ(コロンビア/8,388点/8勝0敗)
3位:ローレン・ルッソ(ミズーリ州/8,315点)
4位:ジョーダン・スノッドグラス(ミシガン州/8,299点)
5位:ニュー・フェイフェン(シンガポール/8,250点)
とくにロシオ・レストレポは、国際大会での実績も多く、今大会でも8戦全勝という完璧な戦績を記録。ケアリーとの首位争いはまさに紙一重の接戦となっており、今後の展開次第で順位は大きく入れ替わる可能性があります。
ジョーダン・スノッドグラスはこれまでに3大会連続で決勝ラウンドに進出しており、今回も安定したスコアで上位をキープ。念願のメジャー初タイトルを目指しており、経験のある彼女の存在はケアリーにとっても大きなプレッシャーとなるでしょう。
ニュー・フェイフェンもここ1年で3度の優勝を経験しており、勢いのある選手の一人です。彼女は精度の高いテクニックと試合運びの巧さで知られ、決勝ラウンドに進出すれば一気に頂点を狙う可能性があります。
さらに、上位進出を狙う選手たちも実力者ぞろいです:
6位:ギリアン・リム(マレーシア) – 8,234点
7位:ステファニー・ジョンソン(テキサス州) – 8,211点
8位:クリスタル・エリオット(フロリダ州) – 8,179点
9位:ブリタニー・スミス(アイオワ州) – 8,159点
10位:リズ・ジョンソン(ニューヨーク州) – 8,155点
リズ・ジョンソンは、ボウリング界のレジェンド。彼女は全米女子オープンで過去6回の優勝経験があり、通算11個目のメジャータイトル獲得を目指しています。そんな名選手たちを差し置いて首位に立っているケアリーの存在は、まさに“台風の目”といえるでしょう。
また、ケアリーはインディアナ工科大学時代に4度のオールアメリカン選出という輝かしい経歴を持ちます。アマチュア時代から頭角を現していたものの、プロ転向後はフォーム改良や戦術面の見直しに時間を費やし、今大会でようやくそれらが結実したかたちです。
「これまでのすべての努力が、今ようやく結果として出てきた」と語るその表情には、自信と充実感がにじんでいます。
支え合う家族とともに、頂点を目指す戦いは続く
ケアリーの活躍の裏には、家族の存在、とりわけ兄・ケイレブさんのサポートがあります。彼はオフシーズン中、彼女のボウリング用具のドリルや調整を行い、戦術面でもアドバイスを送り続けてきました。現在も大会現地でケアリーに帯同しており、「兄がいなければ、ここまで来ることはできなかった。私のプレーを一番理解してくれている」と、信頼と感謝の言葉を惜しみません。
大会は、6月17日(火)のマッチプレー最終ラウンド(午前11時/午後6時・米東部時間)をもって出場者の順位が確定。上位5名のみが、同日午後7時(米東部時間)よりCBS Sports Networkで放送される「ステップラダーファイナル」に進出します。なお、全てのラウンドはBowlTVでライブ配信中です。
予選6位から準決勝1位、そしてマッチプレーでも首位を走るメアリッサ・ケアリー。彼女がこのまま頂点まで駆け抜け、プロ初タイトルを手にするのか──その答えは、まもなく明らかになります。大会はクライマックスへ。次の一投が、彼女のキャリアを決定づけるかもしれません。