熱戦の幕を閉じた「スカイAカップ 2025プロボウリングレディース新人戦」——原野萌花が悲願の初優勝

若き実力者たちが激突した二日間

2025年6月7日(土)〜8日(日)の2日間、神奈川県横浜市のボウリング王国スポルト八景店にて、「スカイAカップ 2025プロボウリングレディース新人戦」が開催されました。本大会は、日本プロボウリング協会(JPBA)が主催し、53期〜57期の女子プロボウラー44名と、将来のプロ入りを目指すアマチュアボウラー17名が出場。合計61名による熱戦が繰り広げられました。

この大会は、プロ・アマ問わず将来のスター候補たちが力を競い合う、まさに登竜門的な存在として注目されています。

プロ・アマ各部門のドラマと栄光

予選から始まる過酷な戦い

大会はまず、プロ・アマ混合の予選10ゲームからスタート。ここでプロの上位24名、アマチュアの上位8名が準決勝へと駒を進めました。準決勝はさらに6ゲームが加算され、通算16ゲームトータルでプロ8名・アマ2名が決勝トーナメントへ進出。まさに集中力と持久力が問われる過酷なステージです。

 

プロの部:決勝トーナメント進出者

プロ部門でトーナメントに進出した8名の中から、準決勝を勝ち抜いた4名が準決勝に登場。メンバーは以下の通りです。

  • 金子萌夏(55期/相模原パークレーンズ)

  • 緒方彩音(55期/株式会社コロナワールド / 株式会社ボウルスター)

  • 渡辺莉央(56期/ITカンファー株式会社)

  • 原野萌花(53期/フラワーボウル)

いずれも実力派の若手プロたちで、全員が初優勝を狙うフレッシュな顔ぶれとなりました。

 

準決勝第1試合:金子萌夏 vs 緒方彩音

第1試合では、金子萌夏が序盤から圧巻のストライクラッシュを披露。対する緒方彩音も4フレーム目からターキー(3連続ストライク)で反撃しましたが、金子の勢いは止まらず、8フレームまでリードを守りきりました。最終盤での緒方の失速も響き、金子が勝ち上がりました。

 

準決勝第2試合:渡辺莉央 vs 原野萌花

第2試合は、原野萌花がスタートから安定したストライクを連発し、渡辺莉央の巻き返しを許さずリード。渡辺は中盤にダブル(2連続ストライク)を決めるも、9フレームで痛恨の10ピンタップ。勝負所での運の差が勝敗を分け、原野が決勝進出を決めました。

 

アマチュア部門決勝:桜ヶ丘対決

アマ部門の決勝戦は、同じ桜ヶ丘ボウリングセンターを拠点とする仲間同士による一騎打ちとなりました。網代羅夢選手と濱﨑りりあ選手の熱戦は、終盤に網代選手がパンチアウト(10フレ全てストライク)で試合を決定づけました。

勝利した網代選手は、「来年のプロテスト受験予定」とのことで、今後のプロ入りに期待がかかります。副賞には「プロテスト受験応援目録」や「森永製菓パックンチョ1年分」なども贈られました。

 

プロ決勝:原野萌花 vs 金子萌夏

最終戦となるプロ優勝決定戦は、金子萌夏原野萌花による注目の一戦。試合は両者ともストライクスタート。先にダブル(2連続ストライク)を決めたのは原野。中盤までは原野がワンマークリードでリードを握る展開となりました。

しかし4フレーム目、流れが一変します。金子が確実にマークを重ねる一方で、原野は薄めに入って4本残りのオープンフレーム。このミスでリードが逆転し、金子が半マークリードを奪います。

後半に入ると、金子が6フレームから再びダブルをマークし、さらに差を広げにかかります。ところが8フレームでベビースプリットが残りオープン。試合は再びわからなくなりました。原野はこのチャンスを逃さず、終盤にダブルを決めて逆転の気配を見せます。

迎えた勝負の10フレーム。金子は逆転の望みをかけて渾身の投球を見せますが、10ピンがわずかに残る無念の結果に。最後まで集中力を切らさなかった原野が、しっかりとパンチアウトをきめ、新人戦参加資格ラストイヤーでの初優勝という最高の形で大会を締めくくりました。

試合後、原野は「優勝したら涙が出るのかなと思ったけど、嬉しすぎて出なかった」と笑顔で語りました。小柄ながらも堂々たる投球を見せた原野。今後のレギュラーツアーでの更なる飛躍が期待されます。

準決勝

プロ部門:渡辺莉央選手が堂々の首位通過

プロ部門では、予選10ゲーム、準決勝6ゲームを戦い、上位8名が決勝トーナメントに進出。激戦を制してトータルピン数3,449、アベレージ215.56を記録したのは、ITカンファー株式会社所属の渡辺莉央選手準決勝6ゲームでは驚異の231.16アベレージを叩き出し、安定感と爆発力のある投球で首位通過を果たしました。

続く2位には、(株)コロナワールド所属の緒方彩音選手3,441ピンでランクイン準決勝では229.50と非常に高いスコアを残し、トーナメント進出に十分な実力を見せつけました。

また、東興鉛鉄工業(株)の安田明香里選手フラワーボウル所属の原野萌花選手J-Bowl御坊の堀井春花選手らが上位に名を連ねました。

 

アマチュア部門:桜ヶ丘勢が表彰台を独占

アマチュア部門では、トータルピン数3,475ピンで濱﨑りりあ選手が首位に輝きました。予選では210.00の安定したアベレージを残し、準決勝では229.16の高スコアで一気に首位に浮上鋭いストライク率と冷静な試合運びが光りました。

僅差の2位には、同じく桜ヶ丘ボウリングセンターの網代羅夢選手が入賞。特に予選3ゲーム目の279ピン準決勝最終ゲームでの245ピンは圧巻で、会場の注目を一身に集めました

次世代の躍進を予感させる大会

「スカイAカップ 2025プロボウリングレディース新人戦」は、若きボウラーたちがその才能を証明する場として、大きな役割を果たしました。プロ部門を制した原野萌花は、プロ入り5年目での初優勝という節目を迎え、アマチュア部門では網代羅夢選手が大きな一歩を踏み出しました。

この大会で得た経験と成果は、彼女たちのキャリアにとって大きな糧となるはずです。未来のスターが生まれる舞台として、来年以降の大会にも注目が集まります。