
パーカー・ボーンIII
シニアマスターズで10ゲームスコア記録を更新し首位を維持
記録更新とともに始まったボーンの快進撃
2025年のUSBC(アメリカ合衆国ボウリング連盟)シニアマスターズが現在、ネバダ州ラスベガスのサムズ・タウン・ボウリングセンターで開催されています。その開幕戦で注目を集めたのが、ニュージャージー州ジャクソン出身のPBA殿堂入りボウラー、パーカー・ボーンIII(61歳)です。
6月3日(火)の予選初日、ボーンは平均スコア254という驚異的な成績で1,285ピンを叩き出し、310名の出場者中で堂々の首位に立ちました。そして翌日、さらなる偉業が達成されることになります。
10ゲームのスコア記録を更新、盤石の首位を確保
6月4日(水)の第2ラウンドでは、Cスコードとして登場したパーカー・ボーンIIIが、再び圧巻のプレーを見せつけました。38フィートのオイルパターンに対し、以下のようなスコアを記録:
246
208
279
246
275
この日だけで合計1,254ピンをマークし、前日の1,285ピンと合わせて10ゲームの合計2,539ピン、平均スコアは253.9。これは、前年のブライアン・デニスが持っていた10ゲーム記録(2,443ピン)を96ピン上回る、大会新記録となりました。
これにより、ボーンは依然として予選全体の首位を独走中。現在の予選トップ5は以下の通りです:
パーカー・ボーンIII(2,539ピン)
ジョン・ジャナウィッツ(2,434ピン/2023年王者)
トム・アドコック(2,413ピン)
アンドリュー・レティグ(2,408ピン)
トム・ドハーティ(2,396ピン)
さらに注目すべきは、ボーンがこの大会における15ゲーム記録でも1位と2位を保持している点です。過去に記録したスコアは以下の通り:
3,717ピン(2017年)
3,712ピン(2016年)
つまり、今回の新記録は決して偶然ではなく、彼がこの舞台でいかに安定して高レベルなパフォーマンスを発揮してきたかを物語っています。
予選通過ライン(63位)の現時点でのボーダーは2,199ピン(平均219.9)。このスコアでシェルドン・フライ(ジョージア州)とスキップ・パボーネ(カリフォルニア州)が62位タイとなっています。これにより、木曜日の最終予選ブロックでは、カットライン上での激しい順位争いが予想されます。
一方、前回大会王者のジョン・ラコスキは2,144ピンで105位タイと大きく出遅れていますが、仮にトップ63入りを逃しても、前年優勝者として自動的に64番シードで決勝トーナメントに進出することが決まっています。
注目されるのは、ボーンが「記録を狙っていたわけではない」と語っている点です。
「正直なところ、記録のことは考えていなかった。ただ、できる限りピンを倒すことに集中した。」
と話す一方で、「180を狙って安全策を取るようなボウラーではない。常にベストを尽くすことを目指している」とも述べており、その勝利への執念と攻撃的なスタイルがうかがえます。
また、木曜日の最終予選ではすでに予選通過がほぼ確定しているため、ボーンは異なるボウリングボールのテストを行い、レーンの感触をさらに深める予定です。
「何か学べることがあれば、それを今後の戦略に活かしたい。大事なのはマッチプレーで勝ち抜くこと」
と語り、すでに視線は本戦での優勝争いに向けられています。
家族の活躍がさらなる原動力に
さらに、ボーンにとって特別なモチベーションとなっているのが、家族の存在です。息子のブランドン・ボーンが先月ミシガン州アレンパークで行われたU22マスターズで2度目の優勝を果たしたばかりで、父に対し「勝ってマスターズのタイトル数を並べろ」とメッセージを送ったとのこと。
ボーンは笑いながらこのやり取りを語りましたが、内心ではその言葉を「原動力にしている」と明かしています。彼の他の子どもたち、ジャスティンとシドニーも、ジュニアチームUSAや大学トップレベルで活躍する実力者たちです。
「子どもたちがどんどん高いレベルに挑んでいるのを見ると、自分も昨日より今日、もっと良い自分でいたいと思う」
と語るボーン。彼の挑戦は、記録だけでなく、家族との絆や世代を超えた競争心にも支えられています。
シニアマスターズは6月5日(木)に最終予選を実施。上位63名(+前年王者1名)の64選手が、ダブルエリミネーション方式のマッチプレートーナメントに進出します。
そして、6月8日(日)午後1時(東部時間)より、BowlTVにてステップラダー形式の決勝がライブ配信予定。この決勝ではトップシードは2回敗北しない限り敗退とならない、真のダブルエリミネーションルールが採用されます。
優勝者にはPBA50メジャータイトルと賞金2万ドルが贈られます。
果たして、パーカー・ボーンIIIが再び歴史を塗り替える瞬間が訪れるのか。注目のクライマックスが近づいています。