
JPBAシーズントライアル2025スプリングシリーズ 賀茂ボール
2025年5月28日(水)、広島県東広島市の賀茂ボールにて「JPBAシーズントライアル2025 スプリングシリーズ」が開催されました。本大会は公益社団法人日本プロボウリング協会(JPBA)が主催するプロボウラーによる公式トーナメントであり、全国から41名の選手が集結しました。
本大会は、予選8ゲーム、準決勝4ゲーム(通算12G)、そして決勝のシュートアウト方式という3段階の構成で行われ、各選手は高い集中力と技術を持って臨みました。シリーズ出場権やランキングポイントに大きく関わるこのトライアルは、若手とベテランが真剣勝負を繰り広げる場でもあり、各レーンで熱戦が繰り広げられました。
決勝
決勝はシュートアウト方式によって行われ、予選・準決勝を勝ち抜いた上位8名による一発勝負のステージとなりました。1ゲームごとに勝ち上がる方式は、緊張感とスリルに満ちた展開となり、選手それぞれの精神力と技術の高さが試される局面でした。
1stマッチ(5位~8位による対決)
まず行われたのは、5位から8位までの選手による1stマッチです。このマッチには前田祐輔選手、田沢広也選手、道菅真選手、御手洗彰彦選手が出場しました。それぞれが1ゲームの中で最も高いスコアを出すことを目指し、積極的な攻めの投球が見られました。ここで勝ち上がったのは前田祐輔選手。
2ndマッチ(2位~4位+1stマッチ勝者)
続いての2ndマッチには、準決勝通過の2位〜4位である田中義一選手、立花仁貴選手、武本真明選手に加え、1stマッチ勝者の道菅選手が出場しました。ここでも1ゲーム勝負のため、序盤から各選手は積極的な展開を見せました。
特にこのマッチでは前田祐輔選手が見せ場を作りました。高い集中力を維持し、連続ストライクを重ねてリードを築き、そのまま逃げ切り。武本選手や田中選手も好スコアを記録しましたが、わずかな差で及ばず。決勝戦へ進出したのは前田選手でした。
優勝決定戦(トップシード vs 2ndマッチ勝者)
そして迎えた優勝決定戦では、予選・準決勝を通じてトップシードを確保していた井之上准己選手と、2ndマッチを勝ち上がった前田祐輔選手が対戦。
この最終戦では、両者の対照的なスタイルが見どころとなりました。井之上選手は右両手投げの安定したフォームで、序盤からマークを積み重ねます。一方、前田選手は右投げの伝統的なスタイルで対応。中盤までは互角の展開が続きましたが、10フレで井之上選手が連続ストライクを決めて一気に突き放し、最終的に203対182のスコアで優勝を手にしました。
この勝利により、井之上選手はプロデビュー戦でのシーズントライアル初優勝という快挙を達成。トーナメントを通じて全体のトップを守り抜いたその強さは、本大会最大のハイライトといえるでしょう。
入賞者リスト
順位 | 名前 | 所属 | 賞金(円) |
---|---|---|---|
1位 | 井之上 准己 | 菊陽ボウル | 80,000 |
2位 | 前田 祐輔 | NPO法人ライフアップサポート | 57,600 |
3位 | 田中 義一 | (株)広島パークレーン | 38,400 |
4位 | 立花 仁貴 | フリー | 35,200 |
5位 | 武本 真明 | Bowler’s Support Dream | 32,000 |
6位 | 田沢 広也 | BeHAS(株) | 28,800 |
7位 | 道菅 真 | 広島パークレーン/サンブリッジ | 25,600 |
8位 | 御手洗 彰彦 | フリー | 22,400 |
準決勝
準決勝は、予選を勝ち上がった上位22名によって4ゲームが投げられ、予選と準決勝の通算12ゲームの合計スコアで最終的に上位8名が決勝に進出。
トップ通過は井之上准己選手で、通算224.66の平均スコア(合計2696ピン)を記録しました。2位の田中義一選手(222.75)、3位の立花仁貴選手(221.83)と続き、ハイレベルな競り合いとなりました。
また、準決勝で印象的だったのは田沢広也選手のパフォーマンスで、4ゲームで917ピンを記録し平均229.25という高スコアを叩き出しました。彼の奮闘により、10位から5位へと順位を上げての決勝進出となりました。
予選
予選では、41名全選手が8ゲームを投球し、上位22名が準決勝に進出。
井之上准己選手が予選トップ通過(AVG 232.00)を果たし、2位には立花仁貴選手(225.37)、3位には田中義一選手(223.62)と、予選から実力者たちが頭角を現しました。
一方、御手洗彰彦選手が前半で963ピンと驚異的なスコアを記録するも、後半はややスコアを落とし総合5位で準決勝進出。それでも予選でのインパクトは大きく、観客を魅了しました。
また、シーズン初参加の新人選手たちの健闘も目立ち、ハイレベルな予選ラウンドとなりました。
解説とまとめ
今回の大会は、新人プロの躍進とベテラン勢の底力が交錯した、まさに「新旧対決」の色合いが濃いトーナメントでした。
特に注目されたのは、井之上准己選手の圧倒的な安定感と実力。予選・準決勝・決勝すべてにおいて高スコアを記録し、トーナメントを通してトップを維持。プロデビューイヤーでの初優勝は、今後のシリーズ戦線でも強力な存在になることを示しています。
また、前田祐輔選手や田中義一選手、立花仁貴選手選手たちも見応えのある試合を展開。それぞれのスタイルがぶつかり合う、技術と戦略の競演が観られた大会となりました。
今後のシーズントライアルでも、今回の勢いそのままに、各選手の熱戦が期待されます。次回大会でも、さらなるドラマと名勝負が生まれることでしょう。