PBAプレーオフ決勝
EJ・タケットとイェスパー・スベンソンが激突へ

賞金10万ドルと年間王者の名誉を懸けた頂上決戦〜

アメリカ・ミシガン州アレンパークにあるサンダーボウル・レーンの「ストローブル・アリーナ」にて、2025年のPBA(プロボウラーズ・アソシエーション)プレーオフは最終局面を迎えた。準決勝を勝ち上がったのは、今季絶好調のEJ・タケット(アメリカ)と、スウェーデンの左腕イェスパー・スベンソン。両者は5月24日午後2時30分(米東部時間)より、FOXにて生中継される決勝戦で激突する。

今大会は、ツアーランキング上位12名によるノックアウト形式で争われ、世界最高峰のボウラーたちがしのぎを削ってきた。その中でも、PBA年間最優秀選手(Player of the Year)候補筆頭のタケットと、昨年の決勝で敗れた雪辱に燃えるスベンソンの直接対決は、まさに2025年シーズン最大の見どころとなるだろう。

 

タケット:支配的な内容でファイナル進出

準決勝でタケットは、カナダのグラハム・ファッチを2ゲーム連取で圧倒。
第1ゲームでは、9投中9ストライクという驚異的な精度を見せ、250対193で快勝。第2ゲームでも終盤にかけて連続ストライクを重ね、210対190で勝利を手にした。

ストローブル・アリーナは左右で異なるオイルパターンを採用する難条件(左レーン:37フィート「バット」、右レーン:44フィート「ハードウィック」)だが、タケットはその複雑なレーンにも完璧に対応。今大会で第1シードとして参戦したその実力を存分に発揮している。

タケットは今季ここまで4勝を挙げており、今回の優勝で5勝目となれば、シーズン賞金は469,540ドルに達する。さらに、カイル・トゥループが持つシーズン最多賞金獲得記録(496,900ドル)の更新も視野に入る。彼自身は「そこまで先のことを考えてはいない。ただ、自分のベストを尽くして結果を待つだけ」と冷静な姿勢を貫いている。

また、ストローブル・アリーナで左投げの選手と対戦することに、EJ・タケットはすっかり慣れているようです。2024年のPBAワールドチャンピオンシップ決勝では、グラハム・ファッチやイェスパー・スヴェンソンを含む4人の左投げ選手を次々と打ち破り、見事メジャータイトルを手にしました。

この独特な会場での左投げ選手の苦戦について、タケットは冷静にこう語っています。

これは単に投球フォームやボール選びの問題じゃない。ストローブル・アリーナでは、左投げの選手がどうしてもコーナーピンを倒しきれないんだ。もし自分が彼らのボール担当だったら、正直何を勧めていいか分からない。おそらく既にいろいろ試しているだろうし、それでも結果が出ないのは厳しいよね。

 

スベンソン:課題を乗り越え、完璧な勝利で決勝へ

一方、第7シードでプレーオフに臨んだイェスパー・スベンソンも、着実な進化を見せながらファイナルに駒を進めた。準決勝ではアメリカのクリス・ヴィアと対戦し、202対186、248対172のストレート勝利を収めた。

第1ゲームはややスロースタートで、シングルピン残りが5回と苦戦したが、ヴィアの10フレームでのスプリットに助けられて勝利。第2ゲームでは初手から6連続ストライクを決め、リードを確実に広げて勝負を決めた。

スベンソンはストローブル・アリーナでの前試合(対バットラフ、対アンダーソン)でもスコアが伸びず、平均197点と不安定な状態だった。しかし、準決勝に向けて「考え直す必要がある」と自身の課題を認め、それを乗り越えた形となった。

「今大会で一番良いパフォーマンスだった。第2ゲームでは小さな調整が完璧に決まり、最初から良い流れを作れた」と本人も手応えを口にしている。

スベンソンは4月に開催されたPBAトーナメント・オブ・チャンピオンズで優勝しており、今回勝てば2大会連続優勝。2020年にも連覇を達成しており、これはタケット(3回)とサイモンセン(1回)に続く快挙となる。

「EJは世界最高のボウラー。彼を倒さなければ、自分がベストにはなれない。厳しい戦いになるが、自分の状態も良い。自信はある」と、決勝に向けた強い意気込みを語った。

 

世界最高峰の頂上決戦、勝者は誰だ?

5月24日に予定されているPBAプレーオフ決勝戦は、現代PBAの頂点を争う、まさに歴史的な対決となるだろう。
実力、実績ともに圧倒的な存在であるEJ・タケットに対し、勢いと闘志に燃えるイェスパー・スベンソンがどこまで食い下がれるかが注目される。

試合形式は3ゲーム先取(Race-to-Three)。一瞬の油断も許されないこのフォーマットの中で、どちらが最後に笑うのか。10万ドルの優勝賞金と、シーズン王者への道を懸けた大一番は、ボウリングファンなら見逃せない。

 

【PBAプレーオフ日程と結果】

■ 準決勝

  • No.1 EJ・タケット def. No.4 グラハム・ファッチ:2-0(250-193、210-190)

  • No.7 イェスパー・スベンソン def. No.6 クリス・ヴィア:2-0(202-186、248-172)

■ 決勝戦(生中継)

  • 放送日:2025年5月24日(土)午後2時30分(米東部時間)

  • 対戦カード:EJ・タケット(No.1) vs. イェスパー・スベンソン(No.7)

  • 放送:FOX(米国内)

  • 形式:3ゲーム先取(Race-to-Three)