2025年USBCクイーンズ −− ロスラン&パティソンが魅せた!
白熱の予選2日目をハイライトで振り返る

世界のトップ女子ボウラーが集結、ラスベガスで繰り広げられる熱戦

2025年5月、全米女子ボウリング界の頂点を決める大会「USBCクイーンズ」が、ネバダ州ラスベガスのサンコースト・ホテル&カジノで開催されています。この大会は、女子ボウラーにとって最も権威あるトーナメントのひとつとして知られており、世界中からプロ・アマ問わず有力選手が集う一大イベントです。

大会2日目となる金曜日には、ハイスコアが飛び交う中で、マレーシアのナターシャ・ロスラン選手アメリカ・カリフォルニア州出身のマランダ・パティソン選手が大きく躍進。パティソン選手は見事に首位に立ち、ロスラン選手は一気にトップ5に浮上しました。

 

スコアが語る実力、光る若手とベテランの存在感

マランダ・パティソン:努力と集中が生んだ堂々のトップ通過

現在22歳のマランダ・パティソン選手は、2025年1月にTeam USA入りを果たしたばかりの新鋭。これまでプロとして大きな実績はなかったものの、今大会ではその実力を存分に発揮しています。

パティソン選手は、木曜日に1,195ピン、金曜日に1,166ピンという安定感のあるハイスコアで、2日間の合計スコア2,361ピンを叩き出し、堂々の総合1位に浮上。

「とにかく楽しんで投げること、1投1投に集中することを意識しました。この舞台に立てていることが本当に幸運だと感じています」と本人は語ります。

大学在学中の2022年と2023年にも同大会でマッチプレーに進出しており、その経験が今に生きています。今回はチームメイトのローレン・ルッソ選手と同組でプレーしながら、戦略やボールの特性について意見を交わすことで、さらに理解を深めている様子。

「大学からプロツアーへの移行は簡単ではありませんでしたが、時間をかけて慣れてきました。焦らず、学びながら自分のスタイルを確立しています」と語る彼女は、これからの女子ボウリング界を担う存在として注目されています。

 

ナターシャ・ロスラン:圧巻の“289ゲーム”で一気にトップ争いへ

もう一人の主役が、マレーシア代表のナターシャ・ロスラン選手です。金曜日の予選Bスクワッドでは、ゲームスコア289、253、227、279、201という驚異的なパフォーマンスを披露し、5ゲーム合計1,249ピンを記録。平均スコアはほぼ250ピンという信じられない内容でした。

この日の活躍により、総合順位を一気にジャンプアップし、現在5位(合計2,296ピン)につけています。

「昨日よりも強めのボールを使って、全体的に精度の高い投球ができました」とロスラン選手。

彼女は2024年からProfessional Women’s Bowling Association(PWBA)ツアーに本格参戦。前週の「トピカ・オープン」でも予選から出場し、堂々の7位入賞という結果を残しています。

「アメリカのツアーは本当に刺激的です。毎試合が学びの連続。今大会でもこの勢いを持続して、上位進出を目指したいです」と、さらに高みを目指す意気込みを語ってくれました。

 

現在の上位選手と熾烈な争い

2日目を終えた時点でのトップ10は以下の通りです:

順位選手名国・地域合計スコア
1位マランダ・パティソンアメリカ2,361
2位ジリアン・マーティンアメリカ(オハイオ州)2,338
3位ニュー・ホイ・フェンシンガポール2,336
4位ミッシー・パーキンアメリカ(カリフォルニア州)2,305
5位ナターシャ・ロスランマレーシア2,296
6〜10位ディアナ・ザブジャロワ(ラトビア)、アシュリー・ラッカー(米国)、ジェイド・コーテ(米国)、ギリアン・リム(マレーシア)、ステファニー・ザバラ(米国)2,263〜2,283

このように、各国の強豪がひしめき合う中で、若手選手の台頭と経験者の安定感が際立っています。

 

決勝トーナメントに向けて、さらに激化する戦い

最終予選とダブルエリミネーション方式のマッチプレー

3日目(土曜日)には、いよいよ最終予選が実施されます。Aスクワッド(パティソン選手含む)は正午(東部時間)から、Bスクワッド(ロスラン選手含む)は午後4時(東部時間)からスタート。どちらのスクワッドも新たに施されたオイルパターンのレーンでの戦いとなり、ここでも戦略と適応力が問われます。

日曜日には、予選上位63名と前回王者ジリアン・マーティン選手の合計64名によるダブルエリミネーション形式のマッチプレーが開始。敗者復活戦もあるこの形式では、安定した力だけでなく、メンタルの強さと対応力も必要となってきます。

 

テレビ決勝と賞金

注目のステップラダー方式の決勝戦は、火曜日午後7時(東部時間)よりCBS Sports Networkで生中継されます。勝ち残った選手たちがNo.1シードをかけて対戦し、最後には伝統のティアラと、優勝賞金6万ドル(約900万円)を手にするのは誰なのか。すべての試合はそれまでBowlTVにてライブ配信されています。

 

女子ボウリング界の未来を担うスターたち

今回のUSBCクイーンズでは、若手選手たちの台頭と、経験豊富な選手たちの安定したパフォーマンスが見事に融合し、例年以上にエキサイティングな大会となっています。特に、マランダ・パティソン選手とナターシャ・ロスラン選手は、今後の女子プロボウリング界の顔となる可能性を大いに秘めた存在です。

彼女たちの今後の活躍、そして決勝進出をかけた熱戦から、目が離せません。