
2025年USBCクイーンズ初日
アイオワ州のブリタニー・スミスが首位発進
女子ボウリング界の最高峰トーナメントが開幕
2025年5月、アメリカ女子ボウリング界で最も歴史と格式を誇る大会のひとつであるUSBCクイーンズが、ネバダ州ラスベガスのサンコースト・ホテル&カジノにて開幕しました。本大会は、全米はもとより世界中のトップ女子ボウラーたちが一堂に会する注目のトーナメントであり、最終優勝者には60,000ドルの賞金とともに、伝統的な「ティアラ」が授与される名誉あるイベントです。
その予選初日を制したのは、アイオワ州バン・ミーター出身のブリタニー・スミス選手。家族や仕事との両立を図りながらトレーニングを重ねてきた彼女が、ハイレベルな出場者が集う中で堂々の首位スタートを切り、会場の注目を一身に集めました。
安定したスコアで首位確保、スミス選手の初日詳細
スミス選手は、Aスカッドにおいて5ゲームを投げ、各ゲームのスコアは246、225、236、247、245と極めて安定。トータルスコアは1,199点と、1ゲーム平均239.8点という高水準の成績を収めました。このパフォーマンスにより、初日終了時点で予選全体のトップに立ちました。
僅差で追いかけるのは、カリフォルニア州レッドウッドバレーのマランダ・パティソン選手で、スコアは1,195点。わずか4ピン差という接戦となっています。また、国際色豊かな選手層の中で、マレーシア、ラトビア、シンガポールといった各国の代表選手も上位に名を連ねています。
予選初日・上位10選手のスコア一覧:
順位 | 選手名 | 出身地・国 | スコア |
---|---|---|---|
1位 | ブリタニー・スミス | アイオワ州・アメリカ | 1,199 |
2位 | マランダ・パティソン | カリフォルニア州・アメリカ | 1,195 |
3位 | シティ・ラーマン | マレーシア | 1,187 |
4位 | ディアナ・ザブヤロワ | ラトビア | 1,171 |
5位 | ニュー・ホイ・フェン | シンガポール | 1,167 |
6位T | アレクシス・ランク | ペンシルベニア州・アメリカ | 1,163 |
6位T | アシュリー・ラッカー | オクラホマ州・アメリカ | 1,163 |
8位 | アンバー・マクラウド | ニュージャージー州・アメリカ | 1,158 |
9位 | ミッシー・パーキン | カリフォルニア州・アメリカ | 1,156 |
10位 | ジリアン・リム | マレーシア | 1,152 |
さらに注目すべきは、2024年の大会で優勝を飾ったディフェンディングチャンピオン、ジリアン・マーティン選手(オハイオ州)が19位(1,131点)につけている点です。昨年の覇者としての貫禄を見せつつ、着実に上位進出を狙っています。
現在のカットライン(予選通過ライン)は1,072点で、ジアナ・ブランドリーノ選手(イリノイ州)とチェリー・タン選手(シンガポール)がこのスコアで並んでいます。予選最終ラウンドでの僅差の争いが、勝負の明暗を分けることとなるでしょう。
スミス選手のバックグラウンド――仕事と家庭の中で磨いた実力
ブリタニー・スミス選手は、2015年に女子プロボウリングツアー(PWBA)が再開して以来、安定してマッチプレーに進出してきた実力者ですが、その背景には特別なストーリーがあります。
彼女は現在、フルタイムの仕事を持ち、2人の子どもを育てながら、妊娠中の妻サラさんも支える家庭人でもあります。なお、妻のサラも今週のUSBCクイーンズに出場中です。ボウリングの練習時間を確保するのは簡単ではありませんが、「できる限りボウリングセンターに足を運び、週に数回はリーグ戦に参加するよう心がけている」と語ります。
「トピカの大会(前週開催のGo Bowling Topeka Open)では、子どもたちの笑顔が常に視界にあって、それがどれだけ励みになったか分からない。悪い投球をしてもすぐに前向きになれる。今週は彼らはいないけど、自宅で応援してくれているのを感じる」と、精神面でも家族の存在が力になっていると明かしました。
スミス選手は、このトピカでの好成績を今回のUSBCクイーンズにうまく繋げており、「多くの試合数をこなしたことで良い流れができた」と、自信をのぞかせています。
栄冠へ向けて、運命のマッチプレーが間近に
予選は今後、各スカッドの2回目の5ゲームブロックを経て、土曜日に最終予選が行われます。その後、上位63選手とジリアン・マーティン選手(前年優勝者)を加えた64名が、ダブルエリミネーション方式のマッチプレーラウンドへ進出します。
このマッチプレーでは、各対戦が3ゲームのトータルピン方式で争われ、勝者はウィナーズブラケットに、敗者はエリミネーションブラケットに進む方式です。最終的に、ウィナーズブラケットの上位2名が火曜日のライブTV決勝で第1シードの座をかけて直接対決を行い、エリミネーションブラケットの最後の4人が残りの決勝進出枠を争います。
決勝ステージである「ステップラダー・ファイナル」は、東部時間火曜午後7時よりCBSスポーツネットワークにて生放送されます。決勝では、文字通りの女王が誕生し、6万ドルと名誉あるティアラを手にすることになります。
果たしてスミス選手は、家庭と仕事の両立という過酷な環境の中で、念願のUSBCクイーンズ初優勝を果たすことができるのでしょうか。今後の戦いから目が離せません。