
シェイナ・ン、6年ぶりにPWBAタイトルを獲得
2025年「Go Bowling トピカ・オープン」でキャリア3勝目を飾る快挙
シンガポールのシェイナ・ン選手が、カンザス州トピカの「ウエスト・リッジ・レーンズ」で開催された2025年PWBA「Go Bowling トピカ・オープン」にて、6年ぶりとなる待望の優勝を果たしました。大会最終日の土曜夜、彼女はノースカロライナ州のブリアナ・クレマー選手を236-202で下し、キャリア通算3勝目を挙げました。
苦しい予選通過からの逆転劇
右投げのン選手は、予選の大半をリードしていたものの、終盤にトップシードの座を失い、第2シードとしてステップラダー決勝に進出しました。この悔しさが、むしろ彼女の闘志に火をつけたといいます。
「トップの座を失わないように必死でした」とン選手。
「最後の数ゲームはキャリーが安定せず、どうしてもつかめなかったんです。」
しかし、準決勝ではその課題も解消。第5シードから勝ち上がってきたアリゾナ州ツーソンのブライアナ・コーテ選手との対戦では、序盤6フレーム中5ストライクという勢いあるスタートで主導権を握りました。コーテ選手も中盤から反撃しましたが、ン選手が終始ペースを保ち、226-192で決勝進出を決めました。コーテ選手は3位で7,500ドルを獲得しました。
クレマー選手との白熱の決勝戦
決勝では、クレマー選手との緊迫した一戦が展開されました。ン選手は冒頭から6連続ストライクで完璧な立ち上がり。一方のクレマー選手も、2つのスペアの後に4連続ストライクを決め、対抗します。
7・8フレームでは両者ともスペアで並びますが、9フレームでン選手が10ピンをミス。勝敗の行方が分からない中、クレマー選手も2-8スプリットを連続で外して失速。最終スコアは236-202でン選手が勝利し、賞金2万ドルと優勝トロフィーを手にしました。クレマー選手は準優勝で1万ドルを獲得しました。
試合後、ン選手はシンガポール代表の仲間たちに囲まれ、喜びの涙を流しました。
「本当に長かったです」と彼女は語ります。
「何度もチャンスはありましたが、なかなか結果がついてこなかった。だからこそ、今日の優勝は格別です。」
PWBA10周年シーズンの幕開けを飾る勝利
今大会はPWBAツアー10周年シーズンの開幕戦でもあり、ン選手は年間最優秀選手争いの先頭に立つ形となりました。ただし、本人はその話題には慎重です。
「どのタイトルも特別ですが、今回は特に“取り返したい”という思いが強かったです」と話す彼女。
「まずは数日間、この勝利を噛みしめたいですね。」
決勝ステージでは他にも見ごたえのある試合が展開されました。コーテ選手は最初の試合でユタ州のリンジー・ブーマーシャイン選手を198-170で下し、その後、イングランドのヴェリティ・クロウリー選手と224-224の同点に。シーズン初のワンショット・ロールオフに突入し、クロウリー選手が6ピンに留まったのに対し、コーテ選手はストライクを決めて勝ち上がりました。
ブーマーシャイン選手は5位で5,500ドル、クロウリー選手は4位で6,500ドルを獲得しました。
次戦はUSBCクイーンズへ
PWBAツアーは、5月14日からネバダ州ラスベガスのサンコースト・ホテル&カジノで開催される「USBCクイーンズ」へと続きます。これはシーズン初のメジャー大会となり、前日にはPWBA殿堂入り式典も予定されており、リズ・ジョンソン選手とマリアンヌ・ドゥルポ選手が殿堂入りを果たします。
すべての試合はBowlTVにてライブ配信されました。今後の試合も注目です。