【祝・25勝達成】
EJタケット、PBAピート・ウェバー・ミズーリクラシック優勝!
~地元スプリングフィールドで刻んだ特別な勝利~
2025年PBAツアー「Pete Weber Missouri Classic」で、EJタケットが圧巻のパフォーマンスを見せ、見事な優勝を果たしました。
この大会は、PBA界の生きる伝説であり、数々の偉業を成し遂げたピート・ウェバーの名を冠する特別なイベントです。
そんな格式ある舞台での勝利は、タケットにとって単なるタイトル獲得以上の意味を持っていました。
彼はインタビューで、
「このトロフィーは、10年後、20年後、30年後に振り返ったとき、キャリアの中でも特別なひとつになるだろう」と感慨深く語りました。
ピート・ウェバー本人の直筆サインが入ったトロフィーを手にするという名誉は、選ばれたごく一握りの選手にしか与えられないもの。
そんな貴重な勝利を、自らの努力と実力でつかみ取ったタケットは、喜びと誇りを胸に、新たなキャリアの節目を迎えたのです。
節目の25勝目達成
今回の優勝により、EJタケットはPBAツアーでの通算25勝目という大きな節目を迎えました。
この「25」という数字は、PBA史上でもごく限られたエリート選手しか到達していない記録であり、まさに偉業と呼ぶにふさわしい成果です。
タケットはインタビューで、自身がツアーに初参戦した2013年当時を振り返りながら、
「まさか自分がこのレベルに到達できるとは思わなかった。ただ、いつか勝てるという確信だけは持っていた」と語りました。
彼がツアーに出始めた頃は、ジェイソン・ベルモンテやピート・ウェバー、ノーム・デュークといったスーパースターたちがまだ現役バリバリで活躍しており、彼らの記録は「遥か彼方の存在」に見えたといいます。
それでもタケットは、自らの才能と努力を信じ続け、コツコツと勝利を積み重ねてきました。
そして今、ついに25という大台に到達したことで、彼の名前もまた歴史に刻まれる存在となったのです。
苦い経験を乗り越えて ー 10ピンとの戦い
今回の勝利の裏には、タケットの苦い敗北体験が大きく関係していました。
直前の大会となったシカゴでの試合では、彼にとって致命的だったのがシングルピンのミス、特に「10ピンのカバー失敗」でした。
彼は「ストライクが出なくても仕方ない。だが、10ピンを外したことがすべてを壊した」と、自身を厳しく責めていたと言います。
その悔しさから、帰宅後すぐにボウリング場に通い詰め、集中して10ピンの練習に取り組みました。
そして今回の決勝戦。勝利がかかった第9フレームと第10フレームで、タケットは2本の10ピンカバーに成功します。
「一週間前には失敗していたプレーを、今ここで成功させる」。
その瞬間、彼の努力が結果として報われたのです。
彼は「あの場面で自分を信じて投げきれたこと、それが一番の成長だ」と語り、失敗から学び、それを力に変える姿勢を見せました。
これはまさに、真のチャンピオンだけが持つ強さです。
ドム・バレットとのハイレベルな決勝戦
EJタケットが今回の決勝で対戦した相手は、PBAツアーを代表する実力者、ドム・バレット。
バレットは、PBA史に残るトリプルクラウン(メジャー3冠達成)の偉業を成し遂げた名プレーヤーであり、タケットと並び称される存在です。
決勝戦は、互いに譲らない一進一退の攻防となりました。
バレットは、厳しいレーンコンディションの中でも冷静なプレーを続け、タケットに一歩も引けを取らないパフォーマンスを披露。
特に、試合中盤までの粘り強さはさすがの一言であり、観客を大いに沸かせました。
しかし、勝負の流れを決定づけたのは、バレットが放った一投でした。
完璧に見えたそのショットが、まさかの7-10スプリットとなり、流れが傾き始めます。
さらに続くフレームでも、3-6-10という難しい残りピンを作ってしまい、ここでもストライクを奪えず、流れを引き戻すことができませんでした。
タケットはその瞬間を冷静に見極め、
「今ここで流れをつかみきるしかない」と自分に言い聞かせ、次の2投で連続ストライクを奪取。
完全に主導権を握り、そのまま試合を制しました。
試合後、タケットはバレットを称え、
「タイトル数以上に、彼は偉大な選手だ。今日も簡単には勝たせてくれなかった」と、ライバルへの最大限の敬意を表しました。
地元スプリングフィールドでの特別な勝利
今回の「Pete Weber Missouri Classic」は、タケットにとって単なるツアーの一戦ではありませんでした。
会場となったミズーリ州スプリングフィールドは、彼が幼少期を過ごした地元。
小さな頃からボウリングに親しみ、多くの思い出を育んだ場所です。
「子どもの頃に通ったボウリング場がすぐ近くにあった」
「いつかこの町で、自分も優勝トロフィーを掲げたいと夢見ていた」
タケットはそんな思いを胸に、この大会に臨んでいました。
地元ファンの熱い声援を受けながら戦う中で、タケットは
「ここにいる全員が自分を後押ししてくれている」
という、他の会場では味わえない一体感と温かさを感じたといいます。
試合後には、
「このトロフィーにはスプリングフィールドの名前が永遠に刻まれる。地元の誇りだ」
と語り、胸を張りました。
小さな街だからこそ生まれる、選手とファンの距離の近さ。
そして、長年応援してくれた地元コミュニティへの感謝。
そのすべてが、この日のタケットをさらに輝かせたのでした。
最後に
今回、EJタケットは2025年PBAツアー「Pete Weber Missouri Classic」で、見事な優勝を果たし、キャリアの大きな節目となる25勝目に到達しました。
ただ勝っただけではありません。彼は、苦い敗北を乗り越え、課題を克服し、精神的にも一段階成長した姿を、私たちに見せてくれました。
一週間前、シカゴでの痛恨のミス。
そこから逃げることなく、「練習によって自分を変える」という、まさに王者のメンタリティを貫いたタケット。
その努力が、今回の優勝という結果に結びついたことは、努力は裏切らないというスポーツの本質を改めて教えてくれました。
そして、地元スプリングフィールドで、家族、友人、そして多くのファンたちの前で勝利をつかんだことも、彼にとって何より特別な瞬間となりました。
「このトロフィーには、スプリングフィールドの名が刻まれる。誇りに思う」
そう語るタケットの言葉には、単なる勝敗を超えた、地元への深い感謝と誇りが込められていました。
これから彼は、さらに大きな舞台――ワールドシリーズ・オブ・ボウリング、マイク・オビー・ネバダクラシックへと向かっていきます。
「焦らず、しかし確実に勝ち星を重ねていく」。
そんなタケットの姿勢が、今後も多くのファンを魅了していくことでしょう。
25勝は通過点。目指すはさらに高みへ。
EJタケットの挑戦は、まだ始まったばかりです。
私たちもまた、その熱き軌跡を追い続けたいと思います。