宮崎の熱き春を彩った女王決定戦
2025宮崎プロアマオープントーナメント、久保田彩花が優勝 

2025年4月19日・20日に宮崎エースレーン(AMF32L)で開催された「2025宮崎プロアマオープントーナメント」は、熱戦の末に久保田彩花プロ(48期・相模原パークレーンズ所属)が堂々の優勝を飾り、賞金80万円とともに女王の座を掴みました。宮崎の春を彩るこの一大イベントは、プロ68名、アマチュア22名の計90名による熾烈な戦いが繰り広げられました。

 

■ 決勝までの道のり:トーナメント形式の緊張感

予選を通過した24名による決勝トーナメントは、2ゲームトータルでの勝敗が決まる1〜3回戦を経て、準々決勝以降は1ゲームマッチの一発勝負へと進行。まさに一投一投に勝敗がかかる、緊迫した戦いが続きました。

 

■ 女王対決:久保田彩花 vs 小林あゆみ

優勝を懸けた最終決戦、小林vs久保田。先攻・小林は鋭い一投でストライク発進。一方の久保田はわずかに甘く入り、10ピンを残す9本カウント。序盤からわずかな差が生まれる立ち上がりとなった。

第2フレームでは、両者とも確実にスペアをカバーし、互いに譲らぬ展開へ。小林は左投げで、外からクロス気味に切り込むラインを選択。対する久保田は右投げで、やや外目からストレート気味、時折インサイドに向かうラインで挑む。

その均衡が破れたのは第3・第4フレーム。久保田が連続ストライクを決め、先にリズムを掴む。一歩リードを許した小林は、特に右レーンでのライン調整に苦しみ、思うようにストライクが続かない。

6フレームから久保田はストライクを連発。ギアを一段階上げ、突き放しにかかる。小林も喰らいつきたいところだったが、第7フレーム、やや厚めに入ったボールは無情にもスプリットに。ここで大きく流れが久保田へ傾いた。

それでも小林は諦めず、ラストまで立て直しを図るも点差は縮まらず。迎えた10フレーム、久保田の1投目は厚めに入り、プレッシャーのかかる4-9スプリット。しかし、ここで見せた冷静さと技術——完璧なカバー。そして最後の1投、ポケット真ん中へズバリ。ストライクで締めくくり、笑顔でフィニッシュ。

久保田、貫禄の勝利。堂々たる優勝で、歓喜の瞬間を迎えた。

 

優勝者プロフィール:久保田 彩花

久保田プロは1995年生まれ、奈良県出身。プロ入りは2015年で、今大会は通算8勝目。昨年12月の「第56回全日本女子プロボウリング選手権大会」に続く優勝となり、勢いそのままにシーズンを牽引する存在感を見せつけました。優勝ボールにはABS「ナノデス・アキュドライブフォー」を使用。副賞として、地元宮崎の誇る「宮崎牛ステーキ」も贈られました。

 

トップ8の戦績

 

順位 選手名 所属 賞金(円)
優勝 久保田 彩花 相模原パークレーンズ 800,000
2位 小林 あゆみ eスポフィールド/トミコシ高島平 400,000
3位 堀井 春花 J-Bowl御坊 250,000
4位 中島 瑞葵 フリー/ABS 180,000
5位 本橋 優美 スターレーン 140,000
6位 宇山 侑花 小嶺シティボウル/ABS 110,000
7位 姫路 麗 フリー 90,000
8位 川田 菜摘 社会医療法人慶友会/ABS 80,000

 

パーフェクトも飛び出す白熱の大会

今大会では、松永裕美プロが予選第4ゲーム(25・26レーン)にてJPBA公認第364号となるパーフェクトゲームを達成。自身通算11回目となる快挙でした。

 

アマチュア選手も大活躍

今大会では、アマチュア勢も健闘を見せ、ベストアマには小嶺シティボウル所属の渡邊美和選手(57歳・右投げ)が選出。副賞として「宮崎ブランドポーク」が贈られました。

 

観光とスポーツの融合:宮崎ならではの魅力

会場となった宮崎エースレーンでは、試合以外にも「宮崎牛」や「完熟マンゴー」など地元特産品を副賞とする試みがあり、スポーツと観光が見事に融合した大会となりました。スカイAでの放映も決定しており、熱戦の模様は5月10日・11日にテレビでも楽しめます。

 

終わりに

「宮崎プロアマオープントーナメント」は、単なる勝敗だけでなく、地元との連携や参加者全員の努力が結実したイベントでした。久保田彩花プロの優勝はもちろん、全選手が見せた真剣なプレーが、ボウリングの魅力と奥深さをあらためて感じさせてくれました。

次回の大会が今から楽しみになる――そんな余韻を残して、2025年大会は幕を下ろしました。